河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

おそい秋を見付けに

 今年に限らず季節感が蒸発したような真夏が続きます。先日の菓子屋の宣伝に見た「月見だんご」なんて何処の世界のお話しかと思いますね。逆に月からは「地球見だんご」の時期で、地球では気象がおかしいね・・・なんでウサギのあいだでは噂になっていたり。

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 そのおそい秋を見つけに斑鳩へ、と言えば聞こえが良いのですが県境に所用があり少し足を踏み入れたものです。
 斑鳩では都市計画の理念を変更して、建築制限をしていた宿泊系の基準を緩めた第一号の内覧会を催したという報道につられて見学に行きました。並松という国道からお寺までの沿道東に、和空という施設が完成していました。何処にあるの・・・と思わせる設計や修景は当を得たものでしょう。

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 斯様な施設が少々出来たところで、通過客しか来ないというジレンマは解消しようもないでしょうが、何もしないよりはましかな。でも、千年の永きに亘って築き上げた景観を、ここ数年の来客数が減ったからと基本理念をねじ曲げる今の流行に乗りすぎてはいけませんね。

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 並松から西里へ向かうと藤ノ木古墳。この辺りは毎年コスモスを楽しむのですが、今年はまだ先のようです。しかし、個人の庭先で植えられているコスモスをお借りして、古墳に取り込むと何となく雰囲気が出ます。

  奥の丸い団子が藤ノ木古墳です。

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 付近を見渡すとススキ様の穂が風にそよいでいます。

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 更に西へ進むと龍田神社です。法隆寺の守り神ですが、金剛流の能の発祥の地でもあると石碑は語っています。

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 国道(奈良街道)を越えて大和川との間に広がる広大な水田は、日射のおかげで成長が宜しい。その彼方に連なるのが金剛葛城連山です。この辺りからは一番手前の二上山が、それっぽく見えないのが残念です。

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 ボチボチ矢田丘陵を並松に戻りましょう。調子に乗って坂にかまけて下っていると、暑い中の登りが大変です。

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 再び並松に帰ってきたら目に入ったのが浪曲師「吉田奈良丸」の顕彰碑です。これは初見ですが、経歴を拝見すると中々のお人のようで龍田神社がいう能と言い、芸事が盛んな土地柄なのでしょうか。少し見付けにくい場所ですが、関心のある方はどうぞ。帰路少し遠回りをして二上山の麓まで、お月見まで冷凍するかと中将餅を買い求めました。さて、お月見までもつかな。

 仲秋の月
 藤ノ木が 満月に見え 西の里 <偐山頭火