河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

奈良 平城宮跡周辺万葉サイクリング伴走記 続編

 続編とは勝手な表現で、出向いたのは私一人だけでした。過日のサイクリングの日、皆さんと別れた後訪れる予定だった「安康天皇陵」が見付けられず、時間が迫ってきたのでその後の予定だった奈良在住のA氏との飲み会に流れ込んでしまいました。もっとも、飲み会は河内温泉大学キャンパス付近で開催しました。
アンパンマン自転車に乗る(垂仁天皇陵付近)

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 A氏は元M新聞の敏腕社会部記者で活躍し最終は学芸部長。社会部や学芸部を通じ仕事や私生活で懇意にしていただいていました。彼の自宅近くを走るという口実でお声がけしたとこと、氏の都合で夜の部となったもの。昔話に花が咲き楽しい一時を過ごすことが出来、お酒もすすみ近々輪を広げての再会の約束も。その酔いから醒めた本日、再び西の京から秋篠寺付近を銀輪行したと言う前書きが長くなりました。

 先ずは唐招提寺です。先日のサイクリングでは講師の偐家持氏から、山門の偏額が孝謙天皇の筆だから通りがけにでも見学をと薦められていました。言葉通り通りがけに眺めようとすると、切符切りの職員が「自転車は立ち止まるな、早くされ・・・」という怒鳴る様な声に追いかけられて見られなかったもの。偏額は模造品が掲げられているそうです。

唐招提寺山門偏額

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 あまり良い印象が残らない、鑑真さんや孝謙天皇所縁のお寺でした。
薬師寺東西の塔(東は修理中で覆いと足場が組まれています)

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 さて目的の二十代安康天皇陵古墳は、阪奈道路沿いの奈良パークホテルの裏に見える丘がそれでした。日経連載「ワカタケル」の小説の追っかけをした記事で、関連御陵を紹介するつもりが安康君だけ撮り忘れていたもの。これを加えて十六代仁徳天皇から 二十六代継体天皇までの御陵の写真が揃いました。後刻、拙稿「日経新聞連載小説「ワカタケル」完結 登場の歴代王稜を行く」に手を加えます。
安康天皇陵古墳と拝所

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 加えて、東塔の修復中の薬師寺(先に写真)と秋篠寺も散策して来ました。薬師寺の西塔は、1981年の再建から時が経過して渋味と共に存在感が増してきたように思われます。

秋篠寺歌碑

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 これらは、次回スピーカーを努めます若草読書会のテーマと考えている書物の登場舞台です。何度も通った場所ですが、著者のイメージと私のイメージの摺り合わせをしようというもの。本に描かれている程の文学的な描写は無理としても、同じような思いを共有することが出来ました。

 

秋篠の み寺をいでてかへりみる生駒がたけに日はおちむとす 会津八一

秋篠の 競輪場の万車券 握りしめるも 夕陽と落ちる  偐予想屋

 

 補足写真は奈良競輪場です。同競輪場は全国にある博打場の中でも一番陵に近いドバで、秋篠寺からも僅か100メートル程にあります。また全国で一番狭い競輪場で、その為選手にとっては厳しいバンクが有名です。
補足写真奈良県営競輪場

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追記:本文中 日経新聞連載小説「ワカタケル」完結 登場の歴代王稜を行く 安康天皇陵の写真掲載につきましては、このほど作業を完了いたしました。