河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

GO TO と言われて行ったわけでも無いのだが

 行ってみました、非「三密」旅館とやらに。ついでにおもてなしと最高の料理とやらにもつられてみましたが。世の中そう甘くないという常識をこの歳になって再発見の旅でもありました。
 最初は植村牧場 向かいが般若寺

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 奈良市内で唯一牧場経営ら牛乳宅配までしている植村牧場です。般若寺の正面にあります、牛舎と直売所そして右にレストラン兼喫茶店があります。商品の詳細はリンクでご覧ください。向き合って建つ般若寺は拝観はなされていない様子。

 般若寺

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 次の季節の花でしょうか鉢が奥の広場に見えます。多分コスモス等を鉢植え栽培されて居るのでしょうか。この般若寺と橿原市内のおふさ観音はこの方式で、多くの参拝客を集めておられますが、職員は大変な作業でしょう。
 舞台裏は見せないものですが

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 さて今宵の宿へ。奈良奥山ドライブウエイ入口へ向かいます。ドライブウエイ沿道にあるホテルのため、東大寺正倉院の脇を通り料金を支払って・・・とややこしいと文句を言っていると鹿の出迎えを受けます。シカ語で話しますと良く通じますさすが国際的な奈良のシカですね。「最近は外国人が減って実入りが少なく、商品券が欲しい」と流暢に話します。しかし、インバウンドと言うことが不自然ですよ。君たちがしっかり葉っぱを食べて糞を出し、フンコロガシの世話でまた草を育てるという、自然循環に戻しなさいとシカと申し伝えておきました。
 ヒマや・・と寄って来る鹿

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 宿は奈良市内を眼下に眺められる。更に御所、金剛山葛城山そして二上山から生駒山までパノラマの景色は最高です。6階の露天風呂からも同様の風景が眺められるが、こうなると天空の神々や大自然から眺められるようで、返って恥ずかしくなりますね。この反省に立って露天からの風景写真はカットしましょう。
 宿の部屋からのパノラマ

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 千年の眺めからすると愚僧など小さい塵のような存在ですが、山頭火になりきりで鹿ならぬ麒麟麦酒で乾杯です。夕陽そして落日と瞬間に真っ暗になるという、いかにも奈良らしい夕景を飲む偐鹿麦酒も最高です。
 鹿の森を眺めて麒麟麦酒で乾杯です

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 そして楽しみにしていました夕食です。三密防止とやらで部屋でいただくと一人四千円追加という当たりが怪しいとは思っていましたが。大和盆地の大和牛、雲丹出汁の絶品和食堪等々という。結果料理は、団体旅行風の「大名出し」という、数種類を纏めて出て来ます。お皿もかぶっているのも。多少手間は掛かるので仕方が無いとは思いつつ、冷めた天麩羅等々を食する。さらに出汁がさっぱりきいていません。食前酒と間違って飲みかけた、出汁をワイングラスに使うなら料理に使えよとも言いたくなります。客の目の前で人工松茸味覚料を振りかけて、松茸風ですは無いでしょう。

 洒落たワイングラスで出汁を飲めといいいます

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 こんなことなら京都で、夏目漱石風に山端平八茶屋にでも行けば良かったかなと思いつつ、諦めて食べ続けるしかありません。このあたりでGOTO補助金の半分くらいは掠め取られたかなと言う気分に。手間は分かりますが、業者に支払わず利用者に現金を払い戻す方が生きた金になるでしょう。
 GOTO補助金を引いたという料金をロビーで支払い

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 このホテル利用者のほとんどはここから市内へ戻られるようですが、我々は昨日のドライブウエイを利用して高円山から、円城寺というコースで小さな旅を続けます。
 自分が利用する道路と宿以外は手つかずの自然とは

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 特別天然記念物かつ世界遺産古都奈良の文化財の構成資産である春日山原始林と貫く道路は、若草山側は新若草山自動車道・高円山側は高円山ドライブウェイとも呼ばれます。若草山山頂に近い鎌研交番所の検札所から、地獄谷石仏群に近い芳山交番所までの春日山周路は、奈良県の所有する道路です。
 料金領収書が三枚貰えます

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 雨は上がりつつあると云えども濡れた山道は少々危険、ほぼ車窓観光としましょう。
 石仏は往時の自然破壊かな

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 高円山から有料道路を出て左に坂道をくねくね上り、ナビに指示されるままに30分も走ると円成寺に着きます。写真の様に良いお寺なのですが、奈良市内でさへ足が遠いのにさらに細い道を行くのはゴルファーくらいでえすね。途中何度か来たことのあるコースを見ては懐かしいが、今は求道の偐僧侶ですので見て見ぬふりを。
 円城寺東門

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 ニンニク山円城寺と聞き餃子の始まりが当山かと思うのは愚僧くらい。忍辱山(ニンニクセン)の「忍辱」とは、菩薩の修行すべき六つの徳目をあらわす菩薩行六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・般若)のひとつで、いかなる身心の苦悩をも耐え忍ぶというということを意味しています・・と寺のHPに。

 多宝塔

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 756年聖武孝謙天皇の勅願で創建されて以来栄えてきた。明治の廃仏毀釈で寺領等を失い無住の時期もあったが志ある人々のお陰で、今はこの様に再建されていますと寺の方が丁寧に説明されます。国宝の大日如来もあるが、その方によると阿弥陀如来座像とその光背が素晴らしいと勧められました。
 本堂(阿弥陀如来堂)

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 ここから奈良市内を通過して大和郡山にある義姉(愚妻の姉)の墓参りに向かうのは、どちらから言うことも無く決まったようなもの。時間がないのを良い理由に、天理淡水の鰻を諦めコンビニでパンを買い店内でいただく。後で気づいたのだが車内で喰えば消費税が安かったようだ、と思うが鰻と比べたら口に出して言えない。
 お墓を守っていただいている万福寺

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 寺と墓を取り囲む様に金魚畑がありますが、今年は凶作というのか出荷が減ったといいます。コロナ禍で全国の夜店や祭が激変した結果、金魚すくいが減ったということ。鹿とは逆で金魚にとっては虐待の様な重労働が減った良きコロナ禍(?)であったのでしょうか。
 金魚畑

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 さて、土産を求めに法隆寺を通過して少し南の道端の果物・野菜屋(卸売りセンター)さんへ。前回はお休みで買えなかったのですが、今回は金主と品定め役を帯同していますので私は横で見ているだけ。勢州へ送るほどのものでは無いので、少しだけ買ったと言うのが写真の結果です。
 梨・ブドウ数種

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 一泊二日、普段なら半日は無理とは云えそれくらいで回れる範囲で、コロナ禍を避けた旅をと企画しました。目論見がはずれた部分もありましたが、概ね鬱状態からの脱出が出来たような旅でした。加えて本日NちゃんとKy君に果物を届け、返ってきた笑顔でさらに晴れ晴れとした気分にしてくれた今回の旅行でした。 

 鹿に禍 金魚にとっては 良き頃な

 GOTOと いわれていけば 誤痛の旅

 千年も 万年続く 大和の峰

                           <偐山頭火>