河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

乾漆器展示会

 知人の彼谷氏の「暮らしの中の乾漆」と題する。展示と即売会の案内が届きました。
 ・・・漆と麻布でつくる乾漆は奈良時代から続く伝統技法です。唐招提寺の鑑真和上像、興福寺の阿修羅像など数多くの乾漆像が作られました。乾漆の技法は自由な造形が可能で、やわらかな曲線やゆたかな表情が生まれます。乾漆に魅せられて日々の暮らしの器や花器を作り続けています・・・とコメントにあります。
 案内状 (2月24日~3月2日 高島屋大阪店6階和食器売り場特設ギャラリー)

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 加えて軽くて補修が出来るというのも乾漆の良い所ですね。愚妻は指の関節が自由に動かない病気で、重い器は時に落として無残な目に遭っていますが、彼谷氏の器はコロンコロコロと転がっていくだけです。そして、氏も言うように使って貰ってこそ器を作った甲斐があると云うほど、使えば使うほど良い色を浮かび上がらせます。
 元は麦酒杯でした

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 彼谷氏とは大凡40年程前に、**高校の歴史地理の教師として生徒を引率して見えられて以来です。お訪ねになった先生に教えられることが多く、大和川付け替え三〇〇年記念事業の先導役でもありました。故大嶽君の箏曲の作曲にもお知恵を頂いたこともあると記憶しています。
 菓子器も乾漆です

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 退職後はお父上の足跡を辿るうちに自然と乾漆の世界へ、DNAは一度断った父の遺業へと繋がっているのですね。お父様は日本では有名な伝統工芸作家で、皇室にも納品されています。
 その後の精進の甲斐あって、今では兵庫県工芸美術作家協会員として各種の賞を受賞されています。が、「偐山頭火さん乾漆器は使って貰ってなんぼですよ・・・」と三田市の山奥のアトリエで謙遜されて仰る姿には気迫があり、出来上がった作品との落差に少々驚きです。この時期の開催については悩まれたようなコメントも付けられていますが、愚僧も都合がつけば久しぶりです・・・と安福寺夾紵棺のお話もしたいなと思っています。氏は夾紵棺の破片を見学に柏原までお出でいただいたことがあります。
 琵琶湖名産鮒寿司を盛る

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 乾漆の 案内来る 鮒寿司だ  <偐山頭火

 *昨年湖国を旅した時「湖里庵」(遠藤周作命名)で求めた、鮒寿司を喰えとの指図のような案内状。今月二回目の御酒のきっかけを送って頂いたような。感謝。