河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

梅雨明けに吉事を

 本日六十数日ぶりに梅雨が明けたとか。幾多の災いをもたらした梅雨でしたが、それが明けると良き事も伝わってきました。本年度の人間国宝に四人が認定されましたが、その内お二人がやや身近におられる方でした。お一人は「人形浄瑠璃文楽人形」の桐竹勘十郎さん、報道によると68歳とか。もっとお若いと思っていましたが、愚僧の背中まで迫ってきておられる。桐竹氏の舞台は幾度となく鑑賞したり、公開講座(2006年夏)に招かれたりしていました。
 愚女が指導を受けるも入門が許されませんでした(ウソ)

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 今回の授賞でのコメントでは後進の指導・・・と仰っていましたが、観客層の厚みを増すと言うスタイルもお持ちでした。それが、先の写真にも現れているのでしょうか、気安く人形に触れさせたり、所作をお教えいただきました。同じ時期に活躍されていた文楽義太夫の大御所でした竹本住大夫人間国宝)も、後進の指導には熱心でしたが、文楽を始めとする文化事業への補助金を無駄とした当時の大阪市長橋本徹と対立していたことを思い出します。
 人形遣いの下駄(?)です

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 もう一つの吉事は、茶の湯釜で人間国宝に選ばれた角谷勇圭氏。氏は人間国宝角谷一圭氏を父に持ち同じ道を研鑽され同じく人間国宝に認定されました。先の桐竹氏と同じ様に父を人間国宝に持たれ、2代にわたって同じ道を極めるという点での苦労もあることでしょう。角田一圭氏を記念する深江郷土資料館ではこれを期に何某かの催事が行われるでしょう。チェックして見学に行きたいものです。
 深江郷土資料館

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 ある資料によりますと、古代の河内鋳物師が茶釜のルーツとも云われます。大仏や社寺仏閣の鐘などの加工技術を現在に伝えるものとして見ると、様々な伝統文化も一筋の歴史に綴られているようですね。文楽や歌舞伎と行った芸能も、茶釜という工芸技術も歴史がありこれからも紡いでいってほしいものです。
 角田一圭氏作品(深江郷土資料館)

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 梅雨があけ 人形茶釜 吉事聞く <偐山頭火