河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

久しぶりの丹後木津温泉とイギリス人の仕込む日本酒の旅

 丹後木津温泉へ行きました。幾多の病故暫くご無沙汰でした。
 この木津温泉初めて行ったのが
 京丹後 木津温泉「ゑびすや」(2006-07-13の記事)
「ゑびすや」は松本清張が「Dの複合」を執筆した旅館としても有名。木津温泉独特の、ぬるめ、刺激無し・・・

 サライ表紙 こんな本まだあるのかな

 と松本清張から入っています。宿でも多少は気にした設えをされていましたが、伊豆の踊子夢千代日記に及ばず、さり気なく本を飾っている程度でした。当時温泉荒らしに熱中していた愚僧は、Dの複合より泉質に惚れました。真冬では「じっと浸かっていないと風邪を引く」という40度程の温泉は、日本酒で云えば上善水のごとしというタイプ。硫黄臭だ塩分だ、高熱だと云った流行とは一線を引かれていました、故に随分鄙びた温泉街の鄙びた宿です。

 今は時間制貸し切りとなっている大正館内の風呂

 今も基本的には何も変わっていません。少し先に(西に)夕日ヶ浦という大温泉街が俄に出現しましたが、同じ町内で温泉も木津からパイプで配湯しているが出来上がった温泉街はまるで真逆です。

  直近に行っていたのが
 木津温泉「ゑびすや」からのかえり  (2018-06-02の記事)
 「和久傅」という京都の料理屋さんの女将が、出身地への貢献として「和久傅の森」という安野光雅の絵本の展示と小洒落たレストランを開設しているので、偐山頭火さん一度行かれたらと、女中頭に教示いただき立ち寄ったことがあります。

 和久傳の森(当時の写真)

 結果買い損ねた菓子

 安藤光靖作品と案内図

  今回の旅のきっかけ

 今回木津温泉行の直接のきっかけは「呑み鉄本線日本旅」で紹介された、木津温泉駅からさらに数駅西に走った小天橋近くにある木下酒造有限会社の清酒「玉川」を飲みたくなったからです。イギリス出身の杜氏がこだわりの酒づくりとは!?・・・という紹介で入った番組ではイギリス人の杜氏フィリップ・ハーパー氏が登場して酒倉を紹介し、試飲を勧めて味の評価をさせる。この番組をよく見ていると面白いのが試飲の器の大きさ。プラスティック製の目薬容器程度から大きなぐい飲み程の大きさまで、ここでは気前よく大きな器で飲ませていた。飲み助の六角にすればこんなに嬉しいことは無い、酒の評価も気前よく上がって行く。あたり前だが視ている飲み助も嬉しくなり、今回出かけたと云うことに相成りました。

  イギリス人が造る日本酒 

玉川は自宅近くでも取り寄せできるようです。会社のHPに取次店がのっています。

 愚僧なりの評価としては、古酒風の色が着いていますが、見かけに反して全く角の無い丸い酒でした。調子に乗ってお代わりまでいただき、良い気分で眠りました。温泉と酒は上善に限ると、寝言で行ったつもりです。
  ゑびす屋中庭 竹林をバックにお料理と玉川を飲む

 翌朝は和久傳の森によって孫達に菓子でも買って帰るつもりでしたが、急に帰らねばならなくなり、道中のローソン製の菓子となりました。往復路共に一部に無料高速が作られて便利になって片道3時間も掛からず走れましたが、高速での二車線は怖いですね。帰宅した数時間後豊岡を走る同じような高速で重大事故が起こっていましたが、ロープかプラスティックのポールの中央線はやはり危険ですね。

 ようこそおこし 久しぶりです 昔話する
             馴染みの宿の 懐かしいお女中  <偐山頭火

 

 鉄道ファンの六角精児に敬意を合わす意味で、こんな写真も出てきました。もっとも六角さんはこんな小物に拘らないとおもいます。

 おわび

 文中の写真は往時のものを使っている点はご容赦ください。