過日柏原市歴史資料館にお邪魔した際に、当館のI学芸員さんから「天理軽便鉄道」の興味深いお話しを伺った。同氏は鉄ちゃんではなく「鉄」その者だそうで、親父さん譲りの鉄道マニアらしい。昨日その興味深いお話しの現場を訪ねて、斑鳩から何時も通り銀輪行を。しかし、偶然とは言い過ぎですが殊の外面白い人々にお会いしたので、鉄道のお話しを次回として面白くも珍しい出会いのお話しから。
斑鳩町と接している町に安堵町があります。陶芸家の富本憲吉出身地で生家がある。蝋燭の芯が特産そして環濠住宅(環濠集落に非ず)で重文中家住宅のある町ですが、何分斑鳩町という大敵(?)があって、あまり日が当たりません。天理軽便鉄道を知る切っ掛けとなったのも、安堵町立歴史民族資料館を見学したこともきっかけです。小さな古民家を利用した施設ですが、展示内容はしっかりしておられます。
前置きが長くなりました、今回出会ったのは聖徳太子の一行とその関係者並びに全く関係の無い案山子の皆様です。先ず、冒頭の写真は聖徳太子の足。そしてその聖徳太子の案山子が身の丈12メートルと云います。今年で一千四百四十四歳になられるだけあって、よく成長されたものです。足下には持統天皇、中臣鎌足を従え、法隆寺方向へ向かって立っていますので太子道を進んでいるのかも知れません。
これら案山子群を集めたのが案山子公園(安堵中学校南)、でミレーの落ち穂拾いも周囲の景色にマッチしています。しかし、これでは終わらないのが安堵町の案山子です。今は無き天理軽便鉄道駅で永遠に来ないであろう列車を待つ人。子供達に大人気のアンパンマンご一行。野球場で応援する案山子の集団。出番が過ぎたお雛様。フェンスの奥でネズミ取りかと思ったら、茄採りの案山子。町のあちこちに雑な勘定でも二十シーンはありました。役場に立ち寄って案山子の住民登録をしているか聞こうと思いましたら休日、開いていても個人情報守秘とかで教えてもらえないかも知れません。斑鳩行のついでにと云ったら安堵町民や案山子に叱られますが、案山子探しされても面白いと思います。