河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

瀬戸内ぐるり旅 その壱 山頭火やバイクやら

 永年の願いでありました、しまなみ街道をバイクで渡るという計画。加齢が進むと帰路はフェリーで戻るか、多々羅大橋だけでも良いか・・・と計画が縮小する。このまま年号が変わってしまうと、もう無理かなとなりかねないと思い、奮い立ったのが吉祥と25日に河内を出立。寅号にはいつものトレンクルでは無く、cannondale号を積み換えます。しまなみ海道を渡るには一般道から50mは駆け上らねばならないので、小径では無理だろうという判断でありました。
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近畿自動車道から山陽道への道は、愚妻の両親の墓参で良く通る道です。何時も食事をする道口PAで昼食、その後福山西ICで2国へ乗り換えしまなみ海道に入ります。ここ暫く年寄りの交通事故云々と家人や愚息などから口やかましく注意を受ける。もっとも、加齢による運動神経低下、視野狭窄等は自覚しているつもりです。だからと云う訳では無いが安全運転に徹しています。これは、燃費向上という副産物も出ます、高速走行で燃費15㎞/literは大したもんです。このまま、無給油で700キロほど走ってみようかという計画もしています。(同行二人のバイクです。)
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 多々羅大橋を渡り大三島の橋脚麓に寅号を置き、cannondaleを引き出します。なるほど見上げる高さに橋の床板があります。脇の軽バイクと自転車用の連絡道はループで距離を稼いでいますが、小径では辛いでしょう。何とか、登り切って大三島から1480メートル先の生口島を目指します。
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しかし、ここでえらいことに巻き込まれてしまします。中学生の団体が先生に引率されて、しまなみサイクリングでしょうか生口島方向からやって来ました。先頭の先生が「こんにちは」と挨拶されますが、縦列で走ってくる生徒達が順番にこんにちは・・・と挨拶してくれます。しかし、応えるのは私一人で百人からの生徒達に挨拶されたら、首がおかしくなってきます。こうなったら、立ち止まってうつむいて走り去るのお見送りするしか無い。
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橋の中間あたりに広島と愛媛県の県境を示すペイントがあります。大昔に体験したジュネーブの新幹線の駅のプラットホームのペイントのようです。そこは、スイスとフランスの国境線でした。
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   あっという間に生口島に到着です。生口島からはパノラマ写真をお見せしましょう。
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 橋脚部では本四橋会社の職員でしょうか、点検をなさっていました。正に、橋の下の力持ちですね。ご苦労様です。
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 では、大三島に戻ることにしましょう。脚部の下には「多々羅しまなみ公園」があり、バイカーの聖地なるモニュメントがあります。
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 人それぞれに思い入れがあり、この場所が一番相応しいかどうかは判断出来かねますが、一応それなりのランドスケープですね。因みに河内では生駒山の「暗越峠」が聖地と云われています。
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 さて、本日の橋とバイクはこのへんにして、次の目的山頭火の句碑を探しましょう。山頭火の終生の友人であった大山澄太が宝珠寺(大三島)を訪れた際、裏庭の枯山水の世界の中にこの句の境地に通じるものを感じこの句碑を作ったという。
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 細い道を辿ると。
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 上浦町井口3013 宝珠寺というデータだけで探して行くのだから大変です。畑の手入れをされているのお百姓さんに尋ねると、あの屋根だ・・・と指し示されるが、どう考えても寅号では無理に見える。少し広い場所に寅を置きcannondaleを引き出して、あの屋根を目差します。
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 狭い道を上がった下ったりして辿り着く。山内には「風の中聲はりあげて南無観音菩薩」はすぐに見つかったが、もっとも山頭火らしい「音はしぐれか」が見つからない。
意を決して玄関から訪うてみると奥からお若い住職が出てこられ、訪問の意図を申し上げると快く本堂の奥へ招き入れられました。枯山水の庭の奥に句碑は建っていました。原石に墨書で句をしたためたと云うが、書きやすい面に書いたというか、少々散らばっている
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 これらの句碑は先代の住職のことで、私はあまり関心が無いという現住職に丁寧に礼を申し述べて振り返ってみた山門越しの風景に、島のしぐれは先ほどだったのかと、到着直後の通り雨を思い出しました。注:種田山頭火俳句検索
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さて、島へ着いたのは昼頃だったが日は傾き架けている。しかし、もう一箇所訪れたい場所があります。大山祇神社(おおやまづみ)という伊予国一宮で、全国にある山祇神社大山祇神社)の総本社であるという。祭神は大山積神のみ。
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 境内には国の天然記念物「大山祇神社クスノキ群」があります。この後四国を彷徨うのですが、至る所で大きな古い楠木が現れるます。四国と楠木との縁は、多分それだけ人の手が入っていないという現れなのだと思うが。
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 いよいよ本日の宿「うたしの里石川」です。島の西側、海岸にも遠く特に派手な宣伝文句も思い付かない民宿ですが、大変居心地が良かった。濃厚すぎるサービスとか盛り沢山の食事とかを排した、普段付き合いのような雰囲気が良い 「明日から休み無しです・・・」と仰るご夫婦、今頃は奮闘なさっているでしょう。
 連休が終われば伊勢へ旅すると仰っていました。河内で通過をお見送りしましょうか。。
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 手入れの行き届いた庭です。作業なさっている方のお気持ちが伝わります。この旅は何か良い旅になりそうな、そんな予感がしました。

 しまなみ
 遣唐使 村上水軍 大股ぎ 島をバイクで リンリンと <銀輪部隊

 島しぐれか <偐山頭火