種田山頭火の足跡を辿りつつ、彼が吸った空気を共にしたいという単純な理由から始まった旅は、昨年の中国・九州に始まっていよいよ終焉の地へと向かうこととなりました。もう少し身辺の整理が付いてからと、ゆとりを持って企画していましたら、ひょんな事からある会でのスピーカーに指名され、しかも、山頭火という指名付きでありました。
そこで、私の人生がそうであるように「一夜漬け」準備で高速の人となりました。阿波を目指すので、淡路島ルートで四国に入ります。明石海峡大橋は大阪の御堂筋と同じ長さと言いますから、梅田から難波までの橋と考えると偉いものですな。
と、感心していますと板野インターへ。ここから国道を遡りますと見えてくるのが一番「笠和山 一乗院 霊山寺」です。門前には沢山の店があって巡礼グッズを販売しています。昼過ぎですので、既にこの日の波は過ぎ去ったとのようで、私と同年齢のカップルが散策するのみです。
ここで、逆打ちをすると一気に八十八番に行けますので、大いなる中抜きですが、それ程急ぐこともないので阿波から室戸を目指すこととします。うち続く雨ですが、数人の巡礼者も見かけます。何かひたむきに歩かれている様子から心中は察し得ませんが、重さを感じます。途中、二十三番「医王院 無量寿院 薬王寺」と案内が。少し雰囲気が違いますが、それぞれなんでしょう。
室戸岬へ来たのは30年ほど前のことでしょう。記憶が定かではないのですが、岬に建つ銅像は見落としていたのかもしれません、幕末・明治の偉人も有名な場所とは云え、台風銀座でもある岬の突端では少し気の毒な気がします。
吉野川道縁で野宿(山頭火)
まどろめばふるさとの夢の、草の葉ずれ
写真:霊山寺 薬王寺 中岡慎太郎像
中岡慎太郎HP
http://www.nakaokashintarokan.net/