湯原温泉郷のやや南の田園地帯にぽつりと在るのが、郷緑温泉。物の本や知人の話を聞くにかけては思いを募らせていた温泉だ。
今回旅の復路に少し遠回りをして訪ねることにした。
思いは裏切られなかった。山の裾、少し登った所に郷緑温泉の入り口があり、中から人の良い親父の顔が覗く。よく来たな・・・と優しい言葉に疲れも失せる。
更に、風呂を求めると疲れが失せるどころか、生きる元気が溢れてくる。同行者に腰痛等の神経痛でここ長らく悩んでいたものがいるが、郷緑の湯から出ようとはしなかった。「癒されます」と、私も同じ思いを得た。
温泉成分としては硫黄、ナトリウム、炭酸、塩酸と温泉成分の王道が、それぞれ自分を主張しすぎない程度に含まれている。
宿も経営されていて、温泉で育成したスッポン料理や親父が仕留める猪、鹿そして野ウサギを出すそうだ。秋のキノコ類も豊富で、野禽とキノコ料理の時期には是非再訪すると約して後にした。
路程:米子自動車道「湯原IC」経由湯原温泉方向へ5分
写真:郷緑入り口、親父、風呂
郷緑温泉にて
○壱弐 山紫 郷禄