河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

九州行乞の旅「人吉から阿蘇山を行く」

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 九州に入って五日目の朝は爽やかな五月晴れ。本日もあちらこちら散策しながら旅を続けることとします。まず最初は熊本県の人吉温泉ですが、ここで再び山頭火に出会うこととなります。彼は昭和9年に人吉の宮川屋という木賃宿に泊まったという記録があります。なぜか、「焼き捨てて日記の灰のこれだけか」という句を残して、日記を焼き捨てています。

 さて、偽山頭火に戻ります。人吉温泉は、人吉旅館を語らずにはならないでしょう。球磨川辺に重厚な木造家屋で現存している。入り口の与謝野晶子の詩が語るように、多くの文人が訪れたと宿の記録にあります。泉質は、単純泉でやや炭酸気が感じられます。面白いのは浴槽に木製のベンチがあること。椅子に腰掛けて長湯を楽しめと云うことでしょうか。

 早めの昼飯は人吉駅弁鮎寿司です。駅前の食堂「やまぐち」が長年作り続ける、名物駅弁の一つです。次は焼酎蔵です。繊月酒造は創業百年ほどの蔵元です。工場内に湧く温泉を足湯・手湯に一般公開している、勿論酒を求めるついでに手湯も楽しみました。酒作りが町に溶け込んでいるいますね。

 今夜の宿となる奥満願寺温泉「藤もと」を目指しますが、どうしても気に掛かるのが温泉の案内標識です。で、たまらず立ち寄ることにしたのが「垂玉温泉山口旅館」です。与謝野鉄幹が訪れたと記録にありますが、先の人吉温泉の妻晶子と共に訪れたかは探索出来ませんでした。阿蘇の山の懐に入るような露天風呂で、生きた火山の活力をいただきます。

 写真:人吉旅館石碑、人吉旅館ベンチ風呂、駅弁やまぐちや、酒蔵の手湯・足湯、垂玉山口旅館露天、湯の香坂

 人吉にて
 ○良き酒と湯 すべからく人 引き寄せる