小栗判官と照手姫の話で有名なつぼ湯は、湯の峰川の急流にある。公衆浴場を管理する場所で申し込むと、30分間隔で次々と入浴できる。順番を待つのも趣が無いので夜遅く訪れた。
つぼを囲むように掘っ立て小屋があり、ここで脱衣が出来る。風呂は急流の傾斜に正に「つぼ」があり、座り込むと奥に広がりがある。敷き詰められたこぶし大の石の隙間から湯が湧いている。しかし、周りが掘っ立て小屋なので全く風情が無いのは旅館街故しかたがないことだろう。
つぼ湯前の河原には湯筒がある。源泉を料理に利用できる施設。私も近くで玉子を求めて温泉玉子に挑戦した。12分から15分で温泉玉子が出来上がる。ご近所の奥さんらしい人が、栗と玉子を湯がいている。生活に温泉が生かされている。
旅館の料理にも温泉が生かされていると聞く。確かに毎朝自宅で食べる「茶粥」より遙かに美味だった。湯豆腐も良い味に仕上がりそうな感がする。温泉地ならではの特色を生かした温泉旅館、温泉街造りが望まれる。
写真:つぼ湯外観、つぼ湯内、湯筒で卵を煮る
つぼ湯にて
○判官になれなかったただの人
○筒で煮る玉子を湯で食べる