花山温泉の帰路、古い地図に名を残す「山中渓温泉」を探して紀州街道を目指しました。紀州街道は大きく「熊野古道」と称される大阪天満又は京都及び伊勢を出発して「吉野・大峯」、「熊野三山」、「高野山」を参詣するルートの一部。山中渓駅から紀伊田辺駅までを「紀伊路」と「わかやま観光マップ」にあります。
その中山渓に昭和50年頃まであったのが「中山渓温泉」というらしい。数軒の温泉旅館が営業をしていたと言います。なぜここにかと言いますと、出だしで書いたように、大阪泉州と和歌山を結ぶ重要なルートであったため、古い表現ですと宿場町が出来ていたのでしょう。それに付加価値として温泉が掘られたと類推して無理はない。
しかし、今や熊野街道は鉄道に取って代わられ、更に自動車社会の到来は街道の上に大きな高架橋が造られ、宿場町は紀ノ川サービスエリアと変化してしまいました。
今は宿場町としてのかすかな雰囲気を伝えます。特に桜の季節には山中渓駅に植えられた桜が見事で、鉄道と高速道を組み入れた写真が道路会社の出しているカレンダーに4月の暦で見ることが出来ます。
写真:街道道標、高速高架橋、地図に見る温泉
紀州街道にて
◎牛車の跡 鉄路駆けて 車が宙を