河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

湖北の桜花か鮒寿しの華か

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 早過ぎかとも見えた春の訪れが足踏みしています。それを急かせるわけでも無いが、湖北の櫻の名所を訪ねる旅としました。海津大崎、琵琶湖岸沿い4kmに及ぶ桜のトンネルと清水の桜です。湖畔の桜並木の誕生は、1931年当時滋賀県高島地方事務所に道路補修をする修路作業員として勤めていた宗戸清七(当時37歳、現・高島市マキノ)が作業の合間に自費で購入した若木を植えたことに端を発し後1936年に大崎トンネルが完成したのを記念して海津村(現・高島市マキノ町海津)が植樹したものです。

 清水の桜は、これも海津の町はずれの墓地の中に一本大きくそびえ、樹齢300年以上といわれる巨桜。アズマヒガンザクラと呼ばれる種類の桜で、高さ16メートル、幹の周囲6.4メートルの滋賀県自然記念物にも指定されている県下最大級の桜です。水上勉の小説『櫻守』でその題材とされたことや、その昔加賀藩主前田侯が上洛の折、その美しさに見とれ何度も振り返り眺めたことから「見返りの桜」ともいわれいると云うが、私には梶井基次郎の小説「桜の木の下には」の方が似合っていると思う。春にはこの桜を目当てに多くの人々が訪れます。

 延長四キロ八百本の桜並木と、一本の桜と云う真逆のように見える有り様の桜に、多くの人々が引き寄せられる。これが桜、これも桜と云ったところであります。が、写真でもお分かりのように未だ未だ蕾硬しと云った所です。従って海津の桜は、数年前の「さくら」で取り憑くっておきましょう。他は引用でご勘弁を。

 さて、桜をサクラにしての今回の旅の目的は「鮒寿し」でもありました。しかし、その前に温泉で旅の疲れを取ることとしましょう。ここ近在では、白谷温泉をよく利用していましたが、この日は休日。仕方が無くマキノ高原温泉「さらさ」を利用しました。大きなレジャー施設の一角に在ると云うのが敬遠の理由でしたが。しかし、今回の拝湯で意外とコンパクトな施設で利用しやすく、湯冷めしにくい良い湯でもありました。では、宿であります奥琵琶湖マキノグランドパークホテルへ。鮒寿しの「湖里庵」からの迎えを待つこととしましょう。その前に暫し午睡をむさぼります。

 写真:海津大崎の桜開花後先、清水の桜(残念ながら開花時期はありません)、マキノ高原さらさ温泉

 桜
 花弁の 数ほど見たり 人の背を  <偐櫻守>