河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

お伊勢さんからななくりの湯まで

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 翌日の朝はKZ君のお見送りから。住まいに戻ると準備は出来ているようで、既に大きなリュックを背負っています。お着替えの着衣や箸・スプーンなどが入っているらしい。3歳児ですからやっていることは赤子に近いとも思えるのですが、リュックを背負うと子供です。お母さんと手を繋いで、付近の待ち合わせ場所へと向かいます。IT時代ですね、5分前にはお母さんの電話にメールが届くそうです。そして、機関車トーマス号に颯爽と乗り込んで行きました。今日は歯科検診があるので、昼食を済ませて昼過ぎにはお迎えに行かねばなりません。

 この間家内と娘は自宅のお掃除、私は付近を銀輪散歩です。嫁いで以来約十年で、何度も訪れていますので大体は見学済みです。二度目となるところはより丁寧にと、トレンクルを進めます。総元締めとも云える伊勢神宮が管理する宮社だけでも125社あり、俗に「神宮125社」と呼ばれています。これらに列せられていない社を加えると、更に増えるのでしょう。

 では、手短かな所から。「船江上社」が見えて来ました。明治時代船江が上下2村に分かれていた時代に上船江村の産土神として祀られたため、「上社」と称するというらしい。宮内に、伊勢の神宮伊勢神宮)、神宮125社の一社で、豊受大神宮(外宮)の摂社である河原淵神社がある。早朝から氏子さん達が落ち葉の清掃をされていました。船江上社を抜けると、ミタスの湯という温浴施設があります。開場前から既に何人かが並んでおられます。サミットの時はここが報道陣に開放されたと聞きます。首脳会議のテーブル以外では裸の付き合いがあったのですね。

 この辺りから東へ進むと「勢田川」左岸にでます。勢田川は伊勢市を流れる宮川水系の一級河川伊勢市街地を流れる主要な河川であります。江戸時代にはお蔭参りの客や物資の輸送で大変賑わいだったそうで、その痕跡があちこちに残っています。まず、少し下流へ向かい何処かで渡河しましょう。川向かいに二軒茶屋の船着場を見える辺りで、橋を渡り上流へ進むと「橘神社」の森が見えて来ます。祭神は橘諸兄(たちばなもろえ)公。橘諸兄公は敏達天皇の子孫で大伴家持と親交があり、『万葉集』の撰者の一人といわれているそうです。また、昨日見学した恭仁京建設にも関わっていたそうです。社内の橘は、京都紫辰殿の右近の橘と同種説とも云われています。

 橘神社を過ぎるとアンティークなポストが脇に建つ、古びた店が見えて来ます。二軒茶屋餅の本店です。店の脇に二軒茶屋川の駅が設けられていて、古の海上からのお伊勢参りもここで舟を下り陸路を外宮へと進んだそうです。その場所に茶店は在ってしかるべきですね。赤福も美味しいが私の好みとしては二軒茶屋餅が良い。一つを摘まみ、土産用に数個包んでいただく。さあ、ぼちぼち早めの昼飯の時間です。川沿いを河崎の商店街、海水を利用したアサヒ湯の前を通り抜けて家内と娘が待つ家へ急ぎます。

 食事は昨夜泊まった伊勢シティホテルアネックスホテルの一階「みやび」で会席料理。この地方に在っては珍しい「関西風」の薄味で出汁が利いています。食事の後はお出迎え、給食を戴いて満足なのかニコニコ顔でお戻りです。親子を市の保健センターへ送り、我々は外宮へと向かいます。勾玉池の菖蒲が綺麗だという。トレンクル乗車の私は、外宮脇の茜社を通過するという裏技で勾玉池へ出ます。茜社は外宮の宮域内に鎮座するが、伊勢神宮の所管する神社ではないという。地域住民からは「あこねさん」と呼び親しまれているそうです。茜社境内には豊川茜稲荷神社と天神社2社も鎮座する。勾玉池を一周することは出来ませんが、穴場でしょうか。

 外宮参拝を済ませた家内と門前で待ち合わせ、いよいよクライマックスの土産の買い物です。関谷は煮鮑が有名ですが、今回は炊き込み御飯にしたという。豚捨ては、あまりにも牛肉が美味いので豚を捨てたというが、今では豚丼もメニューにあります。赤福も出店しています。先の遷宮の時に多くの店舗が改修されたり、新たに出店したりしましたが、今はやや平静を取り戻しつつあるようです。中には、後悔されているお店もあることでしょう、次の遷宮までの辛抱です。さあ、これで伊勢での諸行事は終了です。河内を目指して踵を返すこととしますが、途中「榊原温泉」は今回唯一の温泉大学らしい立ち寄り。

 榊原温泉は万葉の時代は「湯ごりの」湯と呼ばれ、後清少納言が「枕草子」にて「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」と謳っており、当時は「ななくりの湯」と呼んだツルヌルの湯で逆「湯ごり」をして還俗、この世の垢にまみれる抵抗力を付けることとしましょう。

 写真:船江上社二題、ミタスの湯、勢田川、橘神社二軒茶屋餅二題、茜社と勾玉池、豚捨出店、榊原温泉

 橘
 恭仁京と 橘樹神社が 諸兄公 <偐歴史学者