万葉の森で駐車させていただいた果物を売る店で、ミカンなどを買ったとは昨日記しました。その時におまけでいただいたのが写真の毬栗です。なんでも、厄除けに玄関においておくと良いとか。これならこそ泥も、アルソックより怖がるでしょうね。
早速、彼谷氏作の塗皿に入れました。栗に関して万葉集を繰(く)りましたら山上憶良が旅先で、我が家の子を思う歌が出てきました。瓜を食べ、栗を食べていると、いっそう子供のことを思い出す・・・ということでしょう。反歌は超有名な「 銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも(5-803)」です。
瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものぞ 眼交(まなかひ) にもとなかかりて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ(5-802)
昨日の万葉の森にも山上憶良の歌碑がありました。亡くした妻が好んだ、棟(あふち)(現代名:センダン)の花が散ってしまうと、妻を思い出すよすがを無くす・・・と歌っている。
妹が見し 棟の花は 散りぬべし わが泣く涙 いま干なくに(5-798)
秋の栗
棘だして 実を守るのか 誘惑か これが人なら 棘を隠さん <山上憶栗>
写真:毬栗、山上憶良歌碑