本日は過日偐家持氏とのMTB行で行きました、万葉の森をもう一度巡ってきました。気になる歌も沢山あったのですが、MTB行ゆえ余力が無く後ろ髪を引かれたままでありました。万葉の森は橿原市香久山の北の緩斜面を利用して、散策路を設け林間に歌碑や歌に纏わる植物を植えて説明書きもあります。甘樫丘にも万葉植物が植えられていますが、説明が無く知識が無いと全く無用となっています。
基本説明に補足ですが、駐車場はありません。軽四程度なら無理して公園脇に置けますが、みんなが無理をすると大変なことになりますので、藤原宮跡の駐車場から徒歩などが順当な手段でしょう。本日は大型車なので、公園の入り口に近い果物屋さんにお願いして置かせてもらいました。当然土産物はここで買うこととなります。ちなみに、みかん、くりそして柿を購入しました。
さて、ワイド画面で見ていただくと緩斜面だと言うことがお分かりいただけます。体が不自由な方でも、介助する方がおれば何とかなる範囲です。トイレもありますが、相当奥まで行かねば利用できません。トイレ利用だけの方を排除しようというものでしょうか。
では、歌碑を説明しますが、聞きかじりの知識ですので詳しくは原典かすばらしい参考書が数多ありますのでご参考にしてください。
有間皇子:家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る(2-142)、
大伴家持:紅はうつろふものそ橡(つるはみ)のなれにし衣になほしかめやも(4109)
笠朝臣金村歌集:高円の 野辺の秋萩いたづらに 咲きか散るらむ 見る人なしに(脇に萩の木)
ドウダンツツジ:水伝ふ 磯の浦廻の 石つつじ 茂く咲く道を またも見むかも(草壁皇子の舎人)
一番感動したのは、有馬皇子が謀反の企みに陥れられ、斉明天皇と中大兄が滞在する白浜まで護送される時に岩代(日高郡みなべ町)で歌った「家にあれば・・・」です。死罪かもしくは免れるか、きわめて不安な状態で歌った歌と言われています。椎の葉に飯を盛って神に祈る気持ちだったのでしょうか。しかし、願いむなしく三日後都へ戻る途中藤白の坂(海南市藤白)で絞殺され一九歳の命を終えます。
写真:公園内を広角で、しいの木と有馬皇子の歌、しいの葉、家持歌碑、笠朝臣金村歌集「高円・・・」、ドウダンツツジ
香久山にて
願うてか 万葉人の 人のいろ 紅くれないか 世の儚さか <偐有馬記念>