在原業平については何度か謂われの地を訪問してご紹介しています。一番古いのがMTB行で不退寺に立ち寄った時でした。次は同寺でいただいた蓮が花開いたという記事。不退寺と業平との関係はリンク先でご確認ください。
また、晩年と思われる時期に滋賀の山奥に隠棲していたという伝説の地在原地区も何度か紹介しました。恋多き男と言われていますが、東へ下ったり滋賀の山奥へ隠れたり。そして今回は、河内の女性宅に出撃する基地に使っていたという、在原寺&在原神社をご紹介して、業平シリーズの最終回とします。
天理市櫟本町3916(西名阪道路天理IC真南)に在原神社兼在原寺があります。明治初期までは、神社と寺は厳密に区別されていません。僧侶が宮司を兼務するといったことは自然だったようですね。それは、別問題として、業平はここから河内高安の女性宅を訪問したというのが、業平道伝説です。大和川に沿って西進して、生駒山系(何処で越えるか諸説あります)を越える長くそして険しい道行きですね。
通い婚の時代ですから、夕方に着けば良いというものの、翌朝早く出立して天理まで帰るという強行軍の恋路であったようです。また、河内には業平が高安に向かって歩いている最中に、道脇の窓から女性のはしたない姿を見られて、縁が切れたという言い伝えがあり、業平道に沿って窓を作らない・・・という伝説があります。現代なら、天理インターから高速に入り、藤井寺で降りて大阪外環状線で30分ほどの行程です。伝説を守るなら、高速道路には「脇見運転禁止」と書かれていることでしょう。
今回も業平道完全制覇などと大胆な試みはいたしません、何時ものように斑鳩町法輪寺脇の駐車場に車を置き、往復30キロほどのバイク行でした。少し寒いですが、爽やかな道行きでありましたが、復路は向かい風で難儀しました。そして仕上げは町営の「老人センターで」で一風呂浴びます。斑鳩の甍を見下ろす絶景風呂でした。