河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

つもりつもりで納得する

 月初のお墓参りです。昨夜の天気予報では暖かいというも、肌寒く感じる朝でした。最近は9時頃まで寝ている癖が付き一日が短いです。でも、知人が「朝昼兼用食」と云っていた意味が分かりかけてきました。そんな遅い朝に、槙を求めて何時もの月初お墓参りです。
 帰路見つけた掲示

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 お寺さんの前を通過して帰るのも、いつもと同じ。そしていつもと同じ様に掲示板の内容が変更されています。「心の中で思っている考えのこと」を逆説的に表現しているのが、鏡を見ているような気持ちにさせますね。つもり預金、つもり孝行なら今までたくさんやって来ましたが、ここまで並べられたらぐうの音も出ませんね。ネットで検索していましたら、つもりとは。津を守る人。港を守る番人と云う意味もあるようです。

住吉の津守網引のうけの緒の浮かれか行かむ恋ひつつあらずは              万葉集11巻 2646番  作者不詳

 

貯金箱貯めたつもりの箱の底抜いて行かんぞ住之江プール    <偐山頭火>                                                                                                                                            

恩師逝く

 人それぞれに人生の恩師がいるとしたら、私の恩師と云えるのが智麻呂様です。師は去る2月15日に召されて天国へ逝かれました。今は「若草読書会」の主宰として我々を導いていただいておりました。元は河内の小阪教会の牧師でした。
 読書会にお持ちした奥様の古里奈良県御所山麓で咲く野梅(中心よりやや左)

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 教会を離れられた経緯等は若草読書会「わが園に梅の花散る」盛会にで既にご紹介しております。師と最初の出会いをもう少し詳しく記しますと、小阪教会の副牧師として赴任され奥様と居を構えられたのが我が家の隣でした。私が十歳過ぎの頃ですので、師とのお付き合いは60年以上になります。その元新居を経年劣化のため除却したのが昨年の盛夏の頃、その約半年後にお亡くなりになるとは少々辛いモノがあります。
 野梅が特に気に入ったと見えて早速創作された

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 ここ数年病が悪化し、昨年からは老人ホームに入所されていました。コロナ禍の下では気軽に面会にも行けず、施設近くの友人が代表で面会しては近況を報告いただいておりました。コロナ6波が過ぎたら読書会の再開、リモートでもお会いできるかと暢気に構えていましたら、奥様からご臨終・・・と云う知らせです。
 ご家族の挨拶状にも登場

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 現下の状況で通常のお葬式は無理だとの判断で家族葬とされました。小阪教会で行われる葬儀ですので、愚僧は徒歩で数分という距離だが参列を断念し火葬場への道順を伺っていましたので道中で野辺の送りとしました。
 それだけでは気持ちの整理もつかず、モヤモヤとした胸のつかえが残ります。過日仏教でいる初七日頃、雑用が無く晴れた日に御所市を訪れて写真の野梅を求めて来ました。梅の後ろの画作も恩師の作品です。本来ならばご自宅にお持ちするのが良いのですが、花をお持ちしても画作してくださる師はおられないので、自宅で開花を待っていました。
 御所の梅と師の作品

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 そして、見事に開花してくれました。たぶん天国で師は「忙しいな・・・」と開花前後の梅を描いてくださっていると思います。
 梅開花する

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 智麻呂師を偲びつつ・・・

旬の外れたぼたんの寺 石光寺

「しゃっこうじ」と読むと聞いていたことがあるが「せっこうじ」とパンフレットにもある。読みはどうでも良いと思うが少々気に掛かる。二上山を日傘か合羽風に纏ったように、当麻寺と並んで大和盆地を見下ろすような位置にその寺はある。天智天皇の勅願で建てられ、 役小角(えんのおづぬ)の開山と伝えられる。
 二上山を笠に着て

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 山門で入山料を支払う、マスクを車に忘れたことを告げると住職らしき方が、にんまりを笑って「気をつけて」と仰る。どう見ても私以外に人気はない。
 何度か来ているが花の無い端境期ははじめて、どの様な景色が広がるのか楽しみです。
 山門と石柱

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 山門を入って直ぐに目に付くのは「想観の沙」という、円錐と台形の砂の作り物、これは後にしましょう。これまでは山門とトイレあたりで迄しか入っていないのですが、結構奥が広いです。ぼたん2000株、アメリシャクヤク1000株、寒牡丹150株の他梅、蝋梅、寒咲菖蒲、寒ぼけそして時季外れですが百日紅と良く育てられたモノです。しかも、鉢植えを移動するというセコい真似はなさっていない、地植えばかりです。
 山内一望 借景の二上山が生きています

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 入山料購入の証ではありませんが、今流行の自撮り(?)です。

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 さて、分かる限り個別のお花に入っていきましょう。

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 笠を着た寒牡丹でしょうか、朱が美しいですね 

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 水仙も咲き誇っています。
 この時期の花としてはポピューラーです。 

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 蝋梅
 今が盛りです。

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 ここにも笠を着たぼたんが 

 寺のブログによると、先々代の住職のころ、与謝野晶子がやってきたそうです。境内にある句碑は、本人が自ら書いた住職への手紙を形にしたものです。
 そこにはこう書かれてあります。「今年は体調がすぐれないので、寒牡丹を見に行けないかもしれません」
与謝野晶子の句碑の後ろには、彼女のだんなさんである、与謝野鉄幹の句もあります。
 初代観光大使の様なご夫婦、鶴ヶ城でも熊本でも見かけました。 

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 与謝野晶子の手紙とか

 この辺りは梅園ですね、根元にシャクヤクやぼたんを配置して背景が二上山とお見事な作庭です。

 更に花見物を続けましょう。と、云ってもこの花の名が出て来ません。何方かご存じの方ご教示ください。御礼に「河内温泉大学タオル」を進呈します。
 ?????(正解はミツマタです、hiromiさんさらのご教示でした)

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 最後に「想観の沙」です。砂を沙と書くのは、お釈迦様は沐浴されたガンジス河の沙に例えているからで、形は手前が方形、後方が円形になっている。手前の方形は私たちの姿世界をあらわしています。方形は一見、強く、安定した形にみえますが崩れやすく角も欠けやすいものです。私たちの姿をあらわします・・・とか。銀閣寺などあるに似たものも同じなんでしょうか。前方後円墳に似てます。
 想観の砂

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 さて、百日紅は時期では無いので見つからないですが、山門の右一帯に広がっています。花盛りの写真があったのですが見つかりません、これで花は想像にお任せします。

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 これが咲き誇ると見事です(咲いている写真が見つかれば差し替えます)
 石光寺は別名「染寺(そめでら)」とも呼ばれます。右大臣藤原豊成(704~765)の娘、中将姫は美貌で知られたが、17歳で出家、当麻寺にこもるうち霊感を得て蓮の茎を集め、糸を採り出した。そして石光寺の庭に井戸を掘り、糸を浸したところ五色に染まった。 それが染の井で、傍らの桜の枝にかけたのが糸掛け桜。中将姫はその蓮糸で一夜のうちに当麻曼茶羅を織りあげたという伝説がある。

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 中将姫伝説の井戸とか
 当麻寺と石光寺折衷案のような伝説ですね、まあ姫は秘めとして適当に想像し、現代人の関心事は案は餡でも中将餅であります。当麻寺駅前に中将堂があり写真のお餅を売られています。奈良に美味い物無しと云う言葉がありますが、中将餅、だんご庄そして三輪山麓のみむろ最中は別扱いだと、愚妻は云います。私も同感です。
 中将堂

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 中将餅

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 ヨモギの採れない盛夏は休業する、売り切れ御免の商売は立派ですね。

 

 花の無い 花を愛でるも 花見かな <偐山頭火

暮らしの中の乾漆

 知人の彼谷氏の個展即売会が来週から高島屋大阪店で開催されます。木地を使わずに、麻布と漆だけで造形された乾漆技法唐招提寺鑑人和上像や興福寺阿修羅像など仏像作りに利用された技法です。やさしい手触りと自由な造形が食器にもいかされ、食卓にもよく似合います。

 高齢化で指の力が衰えても軽いので利用が楽 かつての愚僧愛用麦酒グラス

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 柏原市の安福寺で見つかった、夾紵棺は聖徳太子の棺ではないかと話題になり。昨年奈良・東京国博で聖徳太子没1400年記念展示の目玉としても紹介されました。そんな、伝統技法を現在に伝える彼谷利彬氏は大阪河内でも教鞭を執っておられた、歴史地理の元教員です。大和川付け替えがご縁となって以来のお付き合いです。兵庫三田の山奥のアトリエで生み出される、乾漆器の世界は見えない糸で聖徳太子の時代と繫がっているようですね。

 案内葉書

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 開催日時:2月23日から3月1日(午前11時から作家在店)

 開催場所:高島屋大阪店6階和食器特選ギャラリー

 

 

何処に個人データがあるやら

 昨日遂に三回目のコロナワクチン接種をすませました・・・・と、このネタでも記載しようと添付する写真を加工していて気付きましたのが表題です。
 つい最近までは個人情報を隠すには住所氏名を消すだけで済んだのですが、加工した写真を眺めているとQRコードとやらが二カ所、バーコードが一箇所に記載されています。これに、カメラを向けているとこの角度でも読み込みに行こうとします。
 その予防接種済証

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 進んだ機能を知らないと、紛失等で個人情報をばらまく結果となりそうですね。バーコードやQRコードの印刷と共に、これで知られる情報の中身も併記してやらないと知らず知らずのうちに悪用される可能性もあるようです。因みに左のバーコードとQRコードは役場の設定した愚僧の個人コードでワクチンの回数も示している様です。右はワクチンの種類を証明するQRコードでした。
 ピントが合わない梅

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 私のマイナンバーとやらと照合すると合いません。当然でしょうが、「住民票コード番号」とも違う、今回のワクチン専用のコードのようですね。どうやら愚僧達にはワクチン接種個人認証の手段としてワクチン用コード、マイナンバーカード更に運転免許証、健康保険証等を用いているようです。最終が看護婦さんの視力リーダーというのも、可笑しいと云えばおかしい。

 写真の平城宮跡内東院庭園で写した梅のように、どれもこれもピントが合っていないコードが使われているような気がしますね。国民の政府への不信感「国民背番号反対・・・」がもたらした弊害は数十年後にも大きく立ちはだかっているようです。

 

 副反応 らしきだるさで ぼやくバカ <偐山頭火