何だが安っぽいテレビドラマのタイトル風になった。白山からは、手取湖を周遊しつつ白峰地区へ、ここには総湯があって地区のコミュニティとなっている。最近立て替えられたのが残念という呟きは都会人のおごりかもしれません。手取湖もロックフィルダムで堰堤が美しいのだが、工事中で一部分しか撮影できなかった。
勝山経由で向かったのが「佐野温泉」。ふとした切っ掛けから、良くメールを送って頂いている温泉施設で、一度立ち寄りでもと思っていた。予想通り、田んぼの真ん中に立つ、少し古風な田舎のスパガーデンと云った所。70度の塩泉が湧いているのに「アロエ風呂」などと小細工をしているのは、つまらないなと思った。
ここから北陸道を走り、敦賀へと向かう。吉村昭著「天狗争乱」の最終舞台となった、刑場のあった所。天狗党一行は水戸藩士を中心とした「尊王攘夷の過激派」で、筑波山で挙兵して京都を目指して中山道から北国街道へ入った。福井の今庄付近で、自派の旗頭にと思っていた、一橋慶喜が天狗党を打ち倒す使命をおびていたとは知らず。
八百人と云われる天狗党は討ち取られられ、今庄付近のニシン小屋に閉じ込められた。そして敦賀の松原神社付近で主だった者三百五十二人以上が斬首された。斬首された場所には首領武田耕雲斉の石碑や像が建っている。松原神社内には、一行が閉じ込められたニシン小屋が移築されている。中には党志達の爪痕が残るという。
再び高速の人となり、木之元へ向かう。心にはもやもやしたものが。帰宅して再び天狗争乱を読んで、もやもやを晴らしたいものです。木之元は己高庵というホテル。鶏足寺という近年湖北の紅葉の名所で売り出し中の寺の山内にあるようなホテル。自治体の第三セクターが経営という。残念ながら温泉は無く、薬草風呂とか、伊吹山の麓だからこれもありでしょうな。
写真:手取湖、白峰総湯、佐野温泉途中の造酒屋、佐野温泉、武田耕雲斉墓、閉じ込められたニシン小屋、己高庵