河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

大阪府下一の過酷・複雑な歩道橋か

 自動車と歩行者を分離して、接触事故防止と共に安全・利便性を図るものとして横断歩道(橋)があると言えますね。昔は、平面で信号も無く行き交う車の隙間を駆け抜けた・・・という経験もお持ちでしょう。やがて、人に親切になり信号機の前後に白線が縞模様に描かれるようになり、車との交差点でも無い場所にでも歩行者専用信号が設置されます。
聖徳太子も見守り四天王寺東門前歩道

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 しかし、何でも早く届けることが絶対視されたばっかりに、人を排除する思想で歩道橋が作られる様になります。しかし、時が巡り「人に優しくない歩道橋」は無用の長物となりつつあります。その橋脚が歩行者や車椅子の邪魔になると、撤去されたものも多く在ります。要するに、人中心のインフラ設計に戻ろうという思想が目覚めてきたので、良いことだと私は賛成です。
大阪府下一の過酷・複雑か赤矢印地点から黒矢印地点

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 そのようなご時世に在っても、此れはどうにもならないだろうなと思う歩道橋をご紹介しましょう。時は「令和元年」場所は「大阪市平野区長吉から松原市大堀・若林」地区。大和川近畿自動車道阪神高速松原線・中央環状線そして西名阪高速を跨ぐ5本の歩道橋を繋ぐ連続歩道橋です。
近畿道自動車の脇を越えてきました、これからは歩道の手すりにご注目を

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 大和川の後背水(落堀川のち東除川と合流)を集める水路の工事中です。堤の内部構造物は発泡スチロールですが、土木屋に言わせると相当な荷が架かってもこれで充分だと言うことです。この水路で集めた後背地の水を西へ運び適度な水準の場所で大和川本流へ流します。二本の水路を渡ると東へと直角に曲がります。水路の上を通るのが阪神高速道路松原線です。

水路の工事、何と内部は発泡スチロール製です

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 直角に近く曲がると、中央環状線へと下る歩道橋の中間に結節点があり左に折れると中央環状線近畿自動車道を跨ぎ・潜る別の歩道に合流します。この辺りで「福祉の町づくり」という都市インフラの理念は何処かへ置き去りですな。
近畿自動車道阪神高速を繋ぐジャンクションの下を行きます

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 直角に曲がって下り、曲がっての登りはきついでしょう。その先のさらに小山のように見えるのが、中央環状線上のピークでしょうか。右から階段で上がる人の動線と合流します。アクロバチックで無理矢理付けたという感がします。
歩道橋上の交差点です

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 やっと中央環状線越えに辿り着きます。真上は最近に出来た、近畿自動車道阪神高速道路松原線を結ぶループです。これが無いと、来年早々に開通する阪神高速大和川線の効果も半減します。
結節線は大きくはみ出していますが用地内です

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過酷な歩道橋を振り返りましょう

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 実測はしていませんが、距離と言うより切り換え登り下りそして最大の問題は、ジャンクション全体の歩道ルート表示が無いので、この歩道橋を使って何処へ行けるのかという不安ですね。何度か走った実感としては付近にある公立高校の生徒くらいしかすれ違わなかったので、生活圏と生活圏を結ぶという意味は殆ど無いようです。写真を撮り忘れたのですが、最後の若林地区への自転車出入り口は斜度度が相当あって、普通の生活者には事実上利用出来ないものでした。

 迷い老人に

 ほしいな 歩道橋にも 緊急電話 <偐山頭火