河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

ポンカンをいただく その散髪屋さんの悩み

 先に、菜の花忌にあわせて小阪で菜の花を育てているIさんをご紹介しました。その彼から故郷のポンカンが届いた、美味しいので食べてくれといただきました。
 周辺で何カ店もの理髪店を経営している彼は、愛媛県宇和島の出身です。18歳で大阪に出て来て、修業を重ね河内では一番の繁盛店に。今は子息の店との二軒になっているが、弟子の店を含めると全国に70店は下らないという。
  並べてみました

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 その彼も私と同い年。通常なら初夏には、来年の弟子(社員)のリクルートのため中国地方の高等学校を廻ります。今年の予定はと聞くと「考えてまんねん・・・」と。理由は弟子を取ると最低で6年は仕込まねばなりません。店のマネージメントを含めたりすると10年少しは預からなければ一人前に出来ない。そこで、この歳を考えると、自分の手足として使うには欲しい人材だが、その子の先を考えてあげるとそこまで一線で指導出来るか自信が無いという。
 顔は少々悪いが非常に美味い

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 実際に彼の店で働き、店を持った子を何人も見ています。その後を聞いても、地域の繁盛店として皆頑張っているとのこと。その弟子の巣立ちも彼にとっては、自分のことのように嬉しいという。中には向かない子、尻を割りそうな子もいるが、辛いがそんな子には早めに次の仕事を探すように本人や両親を説得するそうです。
 戴き物とは別に注文させて貰いました

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 浮世床、散髪屋、チェーン店、ヘアーアーティスト・・・と業態・呼名は変わりますが教える基本は接客と技術とか。一生の仕事を目差してきてくれる若者にどれだけ対峙出来るか、Iさんの悩みは暫く続きそうです。若人が生き活きと働く彼の店は本当に雰囲気がよく、客の頭や顔だけでなく心もスッキリとさせてくれるます。
 あれ!何処にでも顔を出すね

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 丁稚どん 番頭どんに 別家まで 仕組みの中に 人の知恵あり  <偐丁稚