昨日は弟子を取っても一人前に出来るか・・・とお悩みの師匠。本日は馬力が無くなったとお嘆きの師匠です。師匠と言っても弟子は今のところおられないようですが、乾漆器の作家のお話です。
K先生は元々は大阪の公立高等学校の元教師、歴史地理で教鞭を執られ府下でも最高の進学率を誇る学校で、定年後も請われて長らく指導を続けられていました。愚僧が関わった「大和川物語」(初版)の陰のプロデューサーでもありました。高名な乾漆作家の長男で父への反発心から全く違う道を選んだが、お父さんの亡き後乾漆の世界へ入門された異色の作家です。
麻布+漆のグラス
今ではこの世界で新進気鋭の作家として注目されています。特に麻布に漆を塗った菓子器などは、デザイン性と機能性から我が家でも愛用しています。また、乾漆器は軽いので指の機能が落ちた夫人にも扱いやすさから愛用する人も増えているとのこと。
同菓子器
その、K氏の作品展示と即売会が毎年大阪難波高島屋で開催され、その案内が届きました。馬力がなくなるとお書きですが、乾漆器創作の世界は早朝の静けさの中、埃が舞う前に塗り上げねばならないとか。練り、塗りそして乾燥と一連の作業は神経の集中が求められる世界、K先生は馬力と表現される世界です。
案内状
お近くに立ち寄りの節は、一度「乾漆器」の世界を覗かれてみては如何でしょうか。軽くて割れない等、日常使いの器として我が家では重宝しています。
重そうで 落ち葉のような 漆の器 <偐山頭火>