冬の早い夕暮れ時、落ち葉を集めて芋を焼くシルエットが作り事では無い世代に育ちました。家の脇の畑では、親父が薩摩芋に限らず馬鈴薯やトウモロコシそして小麦などを栽培していた。隣地との境には無花果、柿も植えられていた。登下校時には、これらをくわえながら通ったものです。思い出せば季節感がある生活、贅沢な暮らしでした。
原風景の投影でしょうか庭の葡萄は
茗荷も収穫します
馬鈴薯も
芋は「粉ふき」と言って焼き上がるとサクサクした身に粉が吹いたようなモノが最上でした。
”こふきや・・・! ”と芋を折った瞬間、断面を見て大声を上げて喜んだモノです。反対に水分が多いと ”ベチャや ”と嘆き悲しんだ。
こふき芋
焼きいもを食感・肉質で分類すると、ほくほく系(粉質)、しっとり系(中間質)、ねっとり系(粘質)に区分できるとか。2002年以前までは、「ベニアズマ」などのほくほく系が主流であった。2003年以降からは、しっとり・ねっとり系の安納いもにも注目が集まった。2007年にしっとり・ねっとり系の甘い「べにはるか」が育成され、2015年には人気品種のトップに躍り出たそうです。
「紅はるか」千葉産で糖蜜たっぷり人気一番とか
冬の原風景とも云える「落ち葉と焼き芋」ですが、2002年に施行された改正廃棄物処理法により、一部の例外を除いてゴミを野焼きすることが禁止されました。焚き火などの軽微なものは例外に該当するが、産業廃棄物は量の如何を問わず禁止されているほか、地方自治体が落ち葉なども可燃ごみとして排出するように指導している場合もあるそうです。
焼き落ち葉代わりの鉄製釜の登場です
一般財団法人いも類振興会によると、中南米原産のかんしょ(サツマイモ)が1605年に琉球(沖縄)へ伝来し、400年を超えた。この間、江戸時代中期から1950年までの間には、飢饉ききんや戦争による食糧難から多くの生命を救った。そして今日、かんしょは健康増進にも寄与する優れた食品として、その価値が再認識されつつあります。かんしょの最もおいしい調理法は、「焼きいも」だといわれています。
芋は人類を救った 我が家では孫達に人気のまとだ
家の中で作る場合、石油ストーブの上に置く方法や、オーブンや電子レンジ(作例:1分半ほど加熱した後10分ほど解凍機能で加熱する)でも作られる。これらは比較的火加減などを調整しやすく準備も簡単なため、手軽に食すことができる。石焼き芋は、加熱された石を利用する。サツマイモを熱した小石の中に埋めて、間接加熱によって焼いたもの。焦がさないようにするには新聞紙(濡らすと蒸し焼きのような状態になり、なめらかになる)とアルミホイルに包んで焼くと良い。
焼き芋焼酎「やきいも黒瀬」まであるとか、これは大人向きでしょう
万葉集に出てくる芋と検索しましたら、以下が出て来ました。
蓮葉(はちすは)はかくこそあるもの、意吉麻呂(おきまろ)が、家(いへ)なるものは、芋(うも)の葉にあらし
長忌寸意吉麻呂 第十六巻:3826
訳:蓮の葉とはこのようにこそあるもの。意吉麿の家にある蓮の葉は「芋の葉」のようです。
芋の葉:タロイモの1種でもあり、このタロイモは、サトイモ科サトイモ属の植物のうち根茎を食用とするため栽培されている種の総称。自然薯(じねんじょ)などのように山で採れるのではなく、家の菜園で栽培されたので「山芋」に対して「里芋」と呼ばれ、「じゃがいも」や「サツマイモ」が伝わる江戸時代まで「芋」と言えば里芋をさしていました。
万葉の時代の遥か前17万年前にも焼き芋は食されていたという記事も。南アの洞窟から、焼き芋の化石が出て来たという。芋は人類にとって永~~~~いお付き合いなんですね。
芋の化石とか、品種は不明でしょうか
本日は曇天無風だと云うことで、シリーズ3作目は「芋」とさせていただきました。最後までお付き合い感謝申し上げます。