政府の「非常事態宣言」に合わせたかのような、一連の動きでしょうか。今月公演予定だった歌舞伎のユーチューブによる無料放送があるそうです。音域・早さ・鮮明度と云う点で余り入り込まなかった、領域ですが今回は視聴してみようかとも思っています。
公演チラシ
詳しくは番組の中で紹介もあるでしょうが、「いがみの権太」という人物と義経やそれを取り巻く人物が複雑に絡み合った戯作です。その舞台となっているのが、今も吉野下市で営業している「弥助」というすし屋さん。昨年も食しに行きましたが、崖を利用した庭に吉野造り三階建ての建物の玄関を一階に置いた建物は記念物クラス。ここでも、繰り返すことですが「バス」が入らないという点は、保存にはプラス効果になっていますが経営的には苦しい所でしょう。
弥助すし屋
今や料金面でも手頃な設定もあるので、どうか皆さんがご利用してやっていただけたらと思います。由緒ある大舞台で義経やいがみの権太気分にひたれます。
玄関
さて、導入の「非常事態宣言」を一部マスコミでは「発令」という表現でしています。法律を読んでいないので、ここで簡単に論ずるのはどうかとも思いますが、気象等の「大雨警報」や「津波警報」で以前は「発令」と言う表現を使っていました。如何にも上から目線と云うことで「発表」に変更されて久しく、今回の「発令」を読んで驚きました。これには、戦争を知らない戦争好きな人が絡んでいるのでしょうか。
ラジオ塔という戦前のラジオ受信施設跡(河内温泉大学キャンパス近く)
戦中の「空襲」をマクラにした枝雀の落語では、「空襲警報発令」に続く神戸空襲で真っ先に落ちてきたのが自宅神棚の神様・・・という。その後数ヶ月でラジオ塔等の前で国民は座して「玉音放送」を聴くことになるのです。今回のコロナでも枝雀家のように神様・仏様に身代わりになっていただき、「玉音放送」を聴くことが無いように祈るばかり。神仏に加えてイエス様にお祈りしてでも、早く「弥助」や歌舞伎見物に行けるようになりたいですね。
弁慶が 落ち弁慶に ならぬよう <落常千本櫻>
神様が 落ちたくらいで 良いコロナ <身代神>