鮎を食しに吉野へ。特に天然アユを中心に、出まわる時期が限られていることから、初夏の代表的な味覚とされています。香魚とも云われますが、諸説ありますが藻を喰って育ったから、独特な香りがするとしますと益々季節感が出ます。その天然鮎を800年間提供する、元祖寿司屋さんが「つるべすし弥助」です。
「つるべ」の由来は押し寿司だったようで、写真の井戸釣瓶のような容器に鮎と鮨米を入れて押したものでしょう。歌舞伎の義経千本桜では主人公並みの活躍をしますが、詳しくはリンクでご覧下さい。
さて、鮨は定食で戴きましたが、ほぼ食べ終わってから絵が無い事に気づきかろうじて手つかずだった押し寿司をご覧下さい。
焼いて山椒をまぶして押しています。江戸前などと云う寿司の形態は握りですが、上方では押し寿司が主流でした。鯖すしや鮒寿しなどから考えると、多分鮨の元祖は押し寿司だったでしょう。季節感溢れる山菜も並べられていたのですが、それぞれを記録する前に…。
昭和30年に来られたと云う吉川英治の「浴衣着てごんたに似たる男かな」という句碑もあるらしいが、庭に出る渡り廊下が崩落の危険があるので調査出来ずでした。何やら諸々を記したチラシがありましたので、スキャンして掲載しておきます。これからがシーズンの盛り、初秋の落ち鮎の頃まで楽しめるでしょう。
この後足を伸ばして高野山へお参りに行きましたが、詳しくは次項とさせていただきます。
鮨
権太にも 男の意地か 桶担ぐ <偐ごんたくれ>