河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

お湯休め「二月花形歌舞伎」

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 昨日は歌舞伎見物に。大阪南の松竹座での二月公演は、歌舞伎界の若手の公演で、人間国宝クラスはいませんが、宝石の原石の集まりのような人々の熱気溢れる舞台が楽しめました。

 夜の部、先ずは「義経千本桜 すし屋」の段です。義経の吉野逃避行に関連するお話の一つで、今も「弥助」寿司として奈良県下市に店を構えるすし屋が舞台です。源氏の討伐から逃れた平家の部将を匿ったつるべすし屋の主人は、武将の名を「弥助」として使用人にしていました。そこへ、源氏の追っ手が現れ、弥助の首を差し出す様に命じます。

 一計を案じた主人は、往来で死んでいた誰かの首を弥助として差し出す段取りをしていた所へ、この屋の道楽息子(いがみの権太)が現れます。権太はこの機に真人間として生きようと、親の気持ちを察して部将を訪ねてきた妻と子の身代わりに自分の妻子を差し出して、源氏の東国へと引き連れて行かれます。

 何も知らないすし屋の主人は、この息子の仕打ちに怒り息子を刺し殺そうとします。その息子の断末魔で事の成り行きを知ったすし屋の主人と妻そして妹は嘆き悲しむというお話。少しはしょりましたが、詳しくは松竹の「二月花形歌舞伎」で検索してください。

 次の「研屋の討たれ」は町職人が武士となって、武士のしきたりに背いて家老を切り、仇討ちの相手となって逃げまくるという荒唐無稽なお話。染五郎愛之助そして中村獅童が舞台を飛び出し客席まで駆け回る。歌舞伎が堅いという人にとってはとても親切な演出であり、若い彼らでこそ出来る演出に場内は非常に盛り上がりました。勿論私も大変盛り上がり、大いに笑いそして久しぶりの舞台鑑賞に酔うことが出来ました。

 写真:松竹座正面、くまどり飴、切符、下市「弥助」(数年前です、大変庭が美しいお店です)

 鮎(熟れ)寿司
 娘が漬けた鮓ならば、熟れがよかろうと(義経千本桜より)
 
 鮎鮓を 漬ける匠の 今もなお (偐山頭火