十津川温泉の南外れにある三叉路を国道からそれるとまもなく上湯川に出る。この渓谷に湧くのが上湯温泉。露天風呂はこの出谷(でだに)温泉と、10メートル程上流には「神湯荘」という旅館がやっている露天があるが、あるポリーシーでもって出谷温泉にはいることにしている。
掘っ立て小屋のような風呂に入ると上湯川を渡る「野猿」が見える。良い設えだが、実際に使われることは無いと、番人の子供が笑って答えてくれた。
一昨年訪れた時も同じような雨だった、子供に問うとよく雨が降るという。雨が多いから湯量も多いのかと馬鹿なことを考えてしまった。が、野猿以外に応えて笑ってくれる連れも無かった。降り注ぐ雨と、激しい流れそして溢れる湯量。
熊野古道の旅もクライマックスを迎えようとしている。
写真:出谷温泉、野猿
出谷温泉にて
○雨川湯どれをとっても三水偏
○窓から風か野猿が覗く