推理作家で有名な「松本清張」は丹後木津と大変馴染みが深い。彼の代表作である「Dの複合」をここ木津温泉で数ヶ月滞在して執筆した。
小説では「浦島館」となっている「ゑびすや」の大正館とよぶ木造造りの旅館の二階に、今も松本清張の間が現役で利用されている。私も何度も利用したが、館内には清張の作品が数点飾られているだけで、松本清張との関係を強調して前面に押し出されていないのに好感を持ちます。
小説で浦島館となっているのは「ゑびすや」の大正館の玄関が、浦島太郎伝説の竜宮城をイメージしたデザインとされているためだという。
清張の間のある大正館に、静の湯とごん助の湯という今では貸し切り専用のお風呂がある。この大学でも何度も紹介しているが、私のもっとも気に入りの湯でもあります。掛け流しの湯とステンドグラスの天井、ここなら素晴らしい文章がすらすらと湧き上がったのでしょう、文豪には。
路程:北近畿タンゴ鉄道「木津温泉駅」下車
写真:ゑびすや「大正館」玄関、静の湯