奥飛騨温泉郷巡りの手始めは、福地温泉。ここは、地区全体が我々が泊まる旅館の意匠の走りとなった、古民家を移築して都会では味わえない雰囲気を醸し出している。長座、草円などが有名ですが、何故か多くは囲炉裏端で食事をさせる。このお食事の姿勢が私には無理でお断りしている。
でも、お湯は良いと聞いているので、草円さんが経営している立ち寄り処に拝湯することとした。少々長いが「むかしばなしの里 石動(いするぎ)の湯」という。拝湯料500円で風呂上がりに五平餅がサービスされる。
お風呂は露天と内風呂各一つ。それぞれ、加水して適温が浴槽に掛け流しされている。写真でご覧の通り設えは質素だが、綺麗に清掃はされている。お湯は、硫黄泉で風呂桶の枠組みなどは白化してきているのでよく分かります。これも、深山でのみ味わうことが出来る秀逸の湯です。
さて、風呂上がり何気なく見た看板に「平安時代、村上天皇がお忍びで・・・」と記載が。昨年、この山の遠く東側の奈良田温泉では孝謙天皇と風呂友となっていますので、これで皇族の風呂友はお二人目です。天皇をお忍びとはいえ斯様な山奥までお連れした、付きの者の苦労たるや大変だったんだろうなと、付きの者を思いやる現代の付きの者である。
写真:石動の湯、露天、内風呂、村上天皇の記載、その天皇をお祀りする村上神社(高山市奥飛騨温泉郷村上)
福地温泉にて
ここに来てまたも帝と風呂友に <偐道鏡>
我が女帝(みかど) 河童橋にて 御座候 従は福地で 暫し息抜き <付きの者>