河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

一千三百歳の家持から「ご褒美」をいただく

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 本年は万葉集の編纂に深く関わったと云われる大伴家持生誕一千三百年(718年生まれ)です。717年という説もあるが、己のみ子孫と認める「偐家持」は718年説を採用されている。歴史上の有名人ですと***生誕祭とかの周年事業が流行るものですが、家持に関しては「偐家持氏」の書き込み以外いまだ聞き及んでおりません。偐家持氏にしても、先祖のことで何かと巷に言いふらすのも大人げないとお考えか、広めようという動きも伝わってきません。

 ですが、若草読書会では新年早々大伴家持の生誕に因んだ催しを開催いたしました。題して「家持をめぐる女性たち」、週刊文春が飛びつきそうなタイトル。68歳の生涯を女性とやりとりした和歌を縦糸、その女性を横糸にして華麗な恋の錦織りを偐家持氏に語っていただきました。そこに編み上げられた女性との恋の遍歴は・・・・・・。

 十一歳にして生涯の妻坂上大嬢(おおおとめ)と出会うも恋愛は一時中断、その間に笠郎女からは熱愛を受けるが煮え切らぬうちにこれは断絶する。その後妾(氏名等不詳:をみなめ)と実質的な結婚生活に、子どもも授かるが彼女は早死にする。後坂上大嬢とのよりが戻り生涯添え遂げる。と、一見普通の結婚生活になってthe endと行かないのが恋多く恋のみ(?)に生きる万葉人たち。ここからは、普段の万葉集に関する学習会では見ることの出来ない、人間くさい大伴家持が登場します。

 講義で登場し歌のやりとがあった女性で名のある人が以後10人、また名も無き女性にいたっては算定不能とか。しかし、これをもってして大伴家持がゲス不倫かというとそうでもありません。永井路子さんは「よみがえる万葉人」の中で高貴な宮人から防人におくられる東北の庶民に至までの、恋に明け恋に暮れる歌を紹介。特に庶民にあっては、恋以外何の楽しみもなかった時代だと擁護しています。ただし、時代がそうであって、現代のゲス不倫までも正当化はなされないだろう。

 さて、新年読書会の〆は偐家持氏が師匠の犬養孝先生直伝の歌詠みによる、百人一首合戦。紅白五人計10人でカルタを取り合い、一番多く取った人が一等賞と思いきや、一番沢山カルタを取った人がrandomで選んだ札を持っているものに「家持賞」がおくられるという一捻りした趣向です。事情で三年ぶりに参加した偐山頭火も持ち札が当選し、写真の家持賞をいただきました。お年玉年賀状に続く本年の快挙に「春から縁起がいいわい」で〆といたします。

 写真:家持賞と論文と云えるほどの講義資料、副賞の若草同人和郎女作品と同作品展偐家持氏ブログ

 万葉集
 恋なくて なにが萬の 言葉(ことのは)かな  〈偐山頭火