河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

新年読書会で 猪と鬼をいただく

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 若草読書会の新年会が本日開催されました。二月に入ってからと云うのは、あまり記憶が無いのですが、新年会立春そして節分とお目出度い三並びで文句の付けようがありません。リンクをご覧のように、節気は一年に沢山ある云々といえども、鬼が出てこられて豆で追い払う事ができるというのも、洒落と云えば洒落、お目出度いと云えば目出度いことです。

 スピーカーはけん家持氏こと偐家持氏、最近誕生日を迎えたという養老年間生まれの御歳1301歳のスーパー超後期高齢者。彼の存在は厚生労働省では平均寿命統計で老齢年金の支給額が増えて財政に悪影響をおよぼすと、闇にほうむられていたという。しかし最近生きていると云うことに訂正が入るらしく、平均寿命統計を幾つ伸ばすか国会でも注目を集めているお方です。

 講演は「万葉集から聞こえて来る音100選」と題した、万葉人の耳にした音の感性を文字で表現するというもの。万葉の色等はよく見聞きするのですが、音は初めて聞くテーマで非常に興味を持ちます。聴講生の反応も良く、何時になく多入り満席で席亭から聴講生が持ち寄った木戸銭代わりの多種の景品を詰めた、大入り袋も配られました。

 「人」「人の泣き声」「鳥の声」「鳥の羽音」「鹿の声」「蝉の声」「蛙の声」「虫の声」「風の音」「川の音」「波の音」「その他の音」「無音・聞こえない音」の13分類101首を紹介。それぞれの音や音源の解説が加わり、非常に楽しい講義でありました。河内温泉大学として20番目に唯一温泉が参加している、大伴旅人の巻6-961をご紹介して本日の報告とします。

 湯の原に鳴く蘆鶴は我がごとく妹に恋ふれや時わかず鳴く
 (湯の原に鳴く蘆鶴(あしたず)は、私のように妻を恋しく思うから、絶え間なく鳴く。)
 
 現在の福岡県筑紫野市二日市温泉で湯につかり、妻に先立たれた大伴旅人が鶴の鳴く声を聞きつつ作った歌と云うことです。二日市温泉太宰府市のお隣で、今もこんこんと温泉が湧き出ています。町営の温浴施設で御世話になった事があります。

 写真:大入り袋から和郎女作の干支の手芸品、ひろみの郎女さんご奉仕の節分ロール