河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

木津温泉「ゑびすや」からのかえり

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 夜半からの雨が続く朝、女将さんはこれで梅雨に入りましたと「梅雨入り宣言」。玄関先の田圃には植えたばかりの苗が、北西からの風に吹かれていました。以前は合鴨が放たれて、稲と稲の列の間を器用に動き回っていました。合鴨農法は他所ではまだやっていますとのこと。そう言えば、前夜は蛙の合唱の喧しかったことを思い出します。

 宿の近くにある「橘商店」という海産物屋に行く以外に当てが無い我々です。女中頭に意見を問うと「私はまだ行っていないが・・・」と云う変な意見で「和久傅」という京都の料理屋さんの女将が、出身地への貢献として「和久傅の森」という安野光雅の絵本の展示と小洒落たレストランを開設した(2017年6月)。これが評判が良いとのこと。場所も近い、ではそこへ・・・と簡単に決まるところが主体性の無さを現しています。

 余談だが、女中頭のご主人はちりめん職人、勿論奥様もそこそこの目利き。何年か前には、業者から無理にB反にさせられて工賃を値切られる等と裏話も聞きました。近年は、丹後ちりめんらしい細かな細工より大柄の作品が多くなったと仰っていた。何か世相を反映しているのかも知れませんが、先を読み解く知識は持ち合わせていません。

 旅館を出て橘商店で岩牡蠣、烏賊の干物、ゲソ、エテガレイの干物等々を。向かいの無人販売所では梅干しと豆を購入して和久傅の森へと急ぎます。行く先のお洒落な絵画とレストランに比して、ラゲッジスペースに収まる土産の生臭さは人には言えない取り合わせです。固有名詞が沢山あるので整理しますと、やや広大な敷地を「和久傅の森」と呼んでいる、その一角に森の中の家「安野光雅館」という作品展示施設。その展示施設の設計は安藤忠雄と云うこと。和久傅の工房と云っているのが、菓子工場。脇にあるのが工房レストランwakudenMORI(モーリ)と云うことらしい。

 いろいろな思いが重なりすぎた結果の様だが、町外れの工業団地の一角にしては良く出来た施設だと思います。菓子業界にあっては叶匠壽庵「寿長生の郷」やたねやが経営する「ラコリーナ近江八幡」等先人が切り開いた分野、和久傅においてはどの様な展開になるか今後を見守りましょう。普段あまり珈琲を飲まない我々にしては高評価を与えたい味でありました。特に砂糖代わりにとだされた和三盆で作られた蜜(写真)が大変美味、しかし売り物ではないと購入希望を却下されました。

 写真:入口の看板、喫茶コーナーより、菓子、全体マップ、オマケのちらしより

 絵本
 浦島が 伝説の町 絵本の森 <偐浦島>