河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

乾漆器の世界へ

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 麻布と漆で造形する乾漆の世界は、食器や花器と云った実用品から唐招提寺鑑真和上坐像等の仏像まで幅広く奈良時代から現代に伝わっています。用途に合った形から芸術品まで自由な造形が可能です。しかも軽いという利点は指の力がなくなった我が家の愚妻なども好んで使っています。

 その乾漆作家彼谷利彬さんの展示即売会が、横浜と大阪の高島屋で開催されます。氏とは30年来のお付き合いで、歴史地理が専門の先生でした。その専門性から拙作「大和川物語」の制作に当たり色々アドバイス、御教示を頂いて現在に至っています。教職を退職されてから本格的に創作活動を始め、第53回兵庫工芸展において大賞を授章される等評価が高まっておられます。毎年大阪の高島屋等へのご招待は頂いておりましたが、今年は求められて関東圏でも開催されるという。

 昨年大阪柏原市の安福寺で保存されていた夾紵棺(絹と漆のお棺)が、その製作技法と叡福寺と安福寺の関係から聖徳太子の棺ではないかと話題になりました。その折にも氏は柏原市立歴史資料館までご来館なさり「乾漆の素晴らしさを改めて認識した・・」との感想も仰っています。

 展示会開催時期は春にはまだ遠い頃ですが、大阪難波付近へお出ましの時は観覧されては如何でしょうか。これが漆かと驚くような作品が並んでいますよ。兵庫の山奥の工房で寒い冬の早朝の数時間が勝負という、漆と向き合った作品をご鑑賞下さい。

 写真:案内状、モダンな実用使いしている菓子器

 千年
 麻と漆 ハイブリッドで 千年も  <偐山頭火