河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

寅にとって悲しい知らせです・・・

 我が学園キャンパスのある市域からシネマの灯火が消えることになりました。戦後の日本の復興を「娯楽」で支えたのがキネマ、映画であったと言っても過言ではありません。その基盤となった帝国キネマ長瀬撮影所が昭和3年に設立され、「東洋のハリウッド」と呼ばれていたそうですから、河内にとっては(元)地場産業とも言えるのが映画でしょうか。
長瀬撮影所の顕彰板

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 もっとも、長瀬撮影所は昭和5年に火災で全焼し京都太秦に引き継がれたのは残念な事です。しかし、タラ話ですが火災がなかったら河内は太秦に取って代わっているのですから、長瀬駅と小阪駅の間は芸人とそれを見る見物客でごった返しているはずですね。
長瀬川沿いの撮影所跡付近にて寅も残念がっています

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 こじつけですが、河内の映画文化唯一の名残とも言えるのが布施駅前にあるラインシネマでした。1997年にそれまで点在していた映画館を集約して開館した複合上映施設の走りとも言える、全館7場、1145席もあり時に売り上げが減ると小さい箱へ移しても上映しているので、見残しも何とか見られるという便利な小屋でした。
ラインシネマ入口

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 この程いただいた優待券に「閉館まで」と断りが入っています。来年二月末で閉館すると言うことらしいです。閉館後は宿泊施設へと生まれ変わるのですが、これは経営の問題で何とも言えません。しかし、市井のファンとしては残念な結末です。近代的な映画館は、布施駅から西へ向かっても東へ向いてもありますが、普段着で出掛け帰りがけに夕食材を買ったり、気分が乗れば暖簾をくぐり一杯・・・という布施駅前ならではの「庶民度」の高い小屋はもうあまり無いですね。残念なことと、フッと帰ってくる予定の寅も嘆くことでしょう。

優待券利用期限の場所に「お知らせ」が印刷されています

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 寅がさり 戻ってきたら 檻がない <偐寅>