河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

継体天皇と武寧王と磚拓本が二枚

 宮内庁公認の継体天皇陵(茨木市太田)とは別に、数キロ北東の今城塚(いましろつか)古墳高槻市郡家新町)が学会あげて継体陵と認知されています。どういう経緯で太田茶臼山古墳継体天皇陵と治定(じじょう)されたのかは、私も不詳かつ今回のテーマと離れるので今城塚古墳が継体陵ということですすめさせていただきます。今城塚古墳はかつて偐家持氏との輪行MTB行 高槻今城塚古墳を行く」 、その後の自動車行「ハニワ工場公園とか」で訪れていますので古墳自体の説明は簡単に引用で済ませます。要は話のマクラのようなモノですが、もったいなくもでっかいマクラですかな。
 公認「継体天皇陵」こと三嶋藍野陵(みしまのあいののみささぎ)こと太田茶臼山古墳

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 非公認「今城塚古墳」模型

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 今城塚古墳埴輪列

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 では、なぜ本稿を設けたかと言うことになりますが「何ともミーハー」的な事でお恥ずかしいのですが説明いたします。後に継体天皇と言われた北陸出身の地方豪族「男大迹」(おほど)が即位前から朝鮮半島百済の25代武寧王(ぶねおう)と交流を持っていた。北陸と半島は内海航路の様な関係にあり、極めて身近に交流が行われていた事が、鉄製品が日本海側から近畿へと伝来していることからもうかがえるそうです。その、武寧王陵の磚の拓本がなぜか我が家に有るというのがその理由であります。武寧王の諱(おくりな)が斯摩(しま)で、「斯摩(麻)」と記される場合もあります。
 武寧王大韓民国忠清南道公州市

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 当時の大和を取り巻く世界政治事情で、25代武烈天皇までとは違った系統からでも国際事情をよく知る天皇を迎えざるを得なかったため、武烈には世継ぎが無く「応神天皇の五代後の孫」という曖昧な根拠を付けでも迎えたのか継体王であった。「万世一系」の天皇というのも、継体王以降とすれば成立するとする学者(森浩一同志社大学教)も多数おられる。先に記したように継体王(男大迹)は日本海を往き来する勢力を支配下に置き、武寧王から銅鏡も贈られています。和歌山県橋本市の隅田(すだ)八幡神社所有の銅鏡(東京国立博物館に寄託)に両者の交流を示す文字が刻まれています。
 NHK英雄たちの選択「スカウトされた大王」より

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 ところで、私が所属する若草読書会の大凡の流れにつきましては、”若草読書会「わが園に梅の花散る」盛会に”で誕生から現在までを大凡記しましたが。聖書研究会から発足した読書会とは云え年に一、二度の旅行兼飲み会でもありました。特に仲間の関心が高かった古代史関連の史跡巡りが主でしたが、一度だけ海外、韓国の慶州、百済(扶余)を旅したことがあります。この時に慶州の仏国寺や民家の間に点在するお椀のような円墳(現在の古墳公園)に、日本の奈良などと同じや・・・と馬鹿なことを言って喜んでいました。今思えば恥ずかしい、奈良(大和)が慶州(朝鮮半島)のコピーだったのですから。
 公州という町にも旅しました。その時に訪問したのが武寧王陵、40年ほど前だからこそなのか羨道から石室の中を覗き込めるようになっていました。地元のガイド曰わく石室内の磚(タイル様の焼き板)の拓本が欲しいなら手配する・・・。まあ、噓か真かは武寧王さんとガイドのみ知っているが、今や両者共に亡くなって居ると思うので本物としましょう。
 武寧王陵の磚拓本です

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 二枚一組の額装にしています。エミレの鐘の拓本も同じような勧誘を受けて求めました。それも軸装していますが、値打ちがあるかどうかは解りませんが、価値があると思うのは私だけでしょう。処分に困り**資料館へ押しつけるのは、縁も無い物を押しつけるようで申し訳ないですね。
 本稿では現地へ行ったことがある、磚を持っている等以外は「NHK英雄たちの選択」や森浩一教授の著書によるものがほとんどです。森先生とは、教授と学生という関係では重なっていると思います。しかし、卒業はしたが普通の学生生活を送った記憶がないので、「卒業」と言うのも憚る身であり森教授の授業を受けた感想など全く残っておりません。

 継体は 鏡贈られ 我磚写す <偐継体王>

 最後に継体天皇陵はどちらか・・・というなぞに迫る研究の一端を紹介しておきましょう。日経新聞の文化面によりますと、宇宙から飛んでくるミュオンという素粒子をX線写真と同じ理屈で写して巨大遺跡などの内部を探る事ができるそうです。エジプトのピラミッドやナスカの地上絵でも成果を上げているとか。20年3月まで関西大学東京大学そして高槻市教委が共同で、今城塚古墳に実験装置を取り付けていた。今後の研究成果では天皇陵だけにしか見られない石室構造等が発見されると、継体天皇陵へさらに近づくことが期待されています。今後は宮内庁が調査を阻む他の天皇陵にも、陵外に同様の装置を設置して研究が進むことが期待されています。

 日経新聞記事より 

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 <参考資料>
 知っておきたい古代史 森浩一著     新潮文庫
 古事記日本書紀   坂本勝監修    青春出版社
 英雄たちの選択「スカウトされた大王」  NHK
   日経新聞2020年4月20日夕刊

 陵も 内部写真で 精検査 <偐放射線医>