河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

農地転用決済金請求

 周り一帯を見渡しても農地など無い河内温泉大学キャンパスに届いた一枚の請求書です。たった、数万円の請求書から300年以上前に行われた、河川改修と農地開拓の一段を本日の外題とします。
 請求書

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 請求の基礎となった土地は、市街化区域内の農地として登記されていましたので、現状に合わせて宅地へと転用しました。既存宅地でしたので、営農農地を宅地と転用するよりは比較的簡単な手続きです。土地改良法法第42条とありますのは、農業委員会において「農地では無い」とお墨付きを貰った元農地の所有者に、水利権を持ち水利を管理していた土地改良区へ脱退一時金を支払うもの。今後、水利を利用しない代わりに水利の管理費用等もこれでもってご縁が無くなるという。これもあまり実体が無いが、支払わないと前に進みません
 築留土地改良区

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 大和川が堺方面へ付け替えられて以来、旧川床はじめ堤等は新田として開墾されました。鴻池新田、山本新田等々ありますが今回請求書が届いた土地は、菱屋西新田に該当します。その新田に大和川から導いた水を配ったりゴミ清掃等をしているのが、築留土地改良区です。今では菱屋西という住宅街ですが、新田跡の住宅街は玉串川沿いの山本新田、そして長瀬川沿いの菱屋新田等は川に沿った細長い住宅街が形成されていることが多いです。因みに菱屋西・東新田は菱屋さん、山本新田は山本さんという豪商がそれぞれ開墾したそうです。鴻池新田は、勿論大名貸の豪商鴻池さんです。
 河内小阪近く樟蔭学園

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 元の大和川の流れの中心という長瀬川筋では、地盤の安定が良いと重工業や油精製(新田で作った菜種油)工場も作られています。
 岡村製油前の水車(柏原市内、水車はあまり意味の無い小道具です)

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 余談ですが、築留土地改良区は長瀬川を含む全てが改良区の財産であると訴訟を起こしましたが、流石にこれは認められませんでした。代わりに「慣行水利権」が認められ、いわゆる水は大和川から取り放題だそうです。似た例として「道頓堀」も堀を作ったという安井道頓の子孫が、同頓堀は安井家の財産とする訴訟を起こしましたが敗訴しました。

 伊弉諾家 国土は我が物 訴訟する 中ロ韓では 話にならぬ  <偐山頭火