鳥取市の西、湖山池の少し南に、鳥取藩主池田侯の湯治場でもあった吉岡温泉がある。温泉街の入り口に立派なアーチがある。このアーチと続く温泉街の格差に後ほど驚かされる。
看板だけが残った廃屋のような旅館が続く中程に「下湯共同浴場」があった。というより、見つけたと言った方が正確だ。
入湯料200円を支払う、住民は無料と言うがこれには落ちがある。
泉質は、高温だが全く自己主張をしない、これで温泉・・と文句を付けるのは素人。無味無臭無色が温泉の頂点だと私は考える。類するには、川湯温泉、有福温泉等々だ。
風呂上がり、番台に座る叔父さんに問うと、昔は温泉芸者が100人もいたという。寂れた理由はその専門家に譲るとして、何か再生の道はないものかと他人事ながら気にかかる。
この町の住人になると温泉代は無料だが、町会費が月3000円、加えて温泉の施設に維持費が負担となる。私のように偶に来て200円の方が良いかなとも思う。
路程:鳥取駅よりバス
写真:アーチ、下湯看板、浴室内、番台の看板
吉岡温泉にて
○艶は去り町寂れても湯は立ちぬ