河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

京都山端「かま風呂の平八茶屋と香木など伝統文化に遊ぶ」

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 梅雨の最中、京都行としました。主目的は山端平八茶屋の「かま風呂」と懐石料理。梅雨と暑い夏を爽やかな香りで乗り切ろうと「山田松香木店」に香りを求め、日常使いの乾燥湯波を「湯波半」で求めようとする今回の京都行、イノダのコーヒーでも入れば完璧だったが、雨中故諦めました。

 天平年間に京都と若狭小浜を結ぶ鯖街道の京都側の起点に開店した「平八茶屋」は創業430年。関ヶ原の合戦前には、既に開店していた。私の通う古からのお店としては吉野の弥助寿司に次ぐ、因みにこちらは創業800年です。

 騎牛門と云うアンチークな門をくぐり庭に入ると、正面が団体客用の二階建ての部屋、右には例のかま風呂がある。近年男女別に風呂が追加されるまでは、一客のみの貸し切りであった。その風呂の前を奥に進むと600坪の庭園の小川と高野川に挟まれるように小部屋が並びます。我々も、その一つ「つつじ」の間に。

 手軽な昼懐石と云っても、懐石の習いは全てまとめ上げられていて、前菜から麦とろ御飯まで一切手を抜かないのが京料理を代表する21代と22代の伝統を引き継ぐ親子料理長。よくテレビでも拝見する。季節ものの鱧も何種類か出ていたが、この期は鮎。強火の遠火で時間をかけて焼かれた小ぶりの鮎は頭まで戴ける、若女将が嬉しそうに「完食ですね・・」と皿を下げられた。

 かま風呂は、赤土で作られたドームの中に筵を敷いた上に寝転ぶ。枕は陶器製で、冷やっとして気持ちが良い。サウナほど暑くなく床全体から温もるので、腰の痛みなど直ぐに治る。暑いと感じたら、隣に更湯があるので汗を流す。何回か繰り返す様を、床にはめられたガラス越しに鯉が下から眺めているのに気づく。何とも贅沢な設えだ。

 大凡二時間半、すっかり癒やされて鯖街道を市内へと向かう。御所の西、室町通下立売り下ル勘解由小路町の「山田松香木店」にて匂い袋の交換用品と香木、線香を買う。ここの店主は、NHKの正倉院展の解説番組で「香木」を熱く語っておられた。寛政年間創業ですから200年以上です。

 香木店から御所の真南、麩屋町通りにあるのが「湯波半」。京湯葉を作って300年近い。時間が時間だけに、おられたのは女将さんだけ。くみ上げて最後のそこに溜まったものを乾燥させたのを「甘湯葉」と云いますが、素揚げにしても戻しても美味しい。甘湯葉と、今宵の造り湯波を求めます。

 さて、本日足早に京の町で遊びました。創業430年から一番新しい店で200年以上という京都の伝統を受け継ぎ、引き継ごうとされている各お店には活気と暑い熱意を感じさせられる。そんな意気込みを自身へのエネルギーに戴いた様な気がする駆け足旅でした。

 写真:騎牛門、鯖街道に相応しい鯖すしの入った前菜、かま風呂と床の窓越しの鯉、庭園、香木店内、白檀の数珠をくり抜いた残りを香木に、湯波半暖簾と造り湯波

 伝統という
 味付けに 香り作って 生きる町 <偐山頭火