河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

お湯休め「序でに 大和川亀の背も」

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 史跡とか遺跡とは大きくずれますが、同じく地表からは見えない原因で起きる地滑りについて。国道25号が奈良に入る直前から脇を流れる大和川が「亀の瀬」と呼ばれる様になります。いわゆる亀の甲羅のようにでこぼこしているから名付けられたと思われます。川幅も、峡谷を流れるため極端に狭くなります。

 この付近の北側斜面の地下深い岩盤あたりで地滑りを起こして、大和川を押し上げているから、亀の背となりました。対岸の国道も地下から押し上げられて、盛り上がっています。これが、いわゆる「亀の瀬地滑り」と云われる自然現象で、1931年には大和川をせき止めるほどに隆起しました。

 これがため、関西本線は少し大阪寄りで河川の南へ切り替えられました。元の軌道跡には直線的な住居が並んでいるのがその痕跡です。以来、延々と抑止工事が行われてきました。大阪・奈良間の経済の大動脈を維持せんがためですね。

 1981年には工事が始まって「50年の区切り」と云うことで、建設省が中心となって記念事業が行われました。その時の記念品として配られたのが写真の「」です。地下深部の滑り面の粘土で造られました。少しお手伝いしただけですが、一つ頂きました。関西にお住まいの方は、奈良・大阪間の移動でよくお通りになる道です。

 写真:記念の磚

 地滑り
 滑り面 焼き固めて 固定する  <偐山頭火