河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

夏の味覚「茗荷押し寿司」今年は新作が登場 テーマは混季語

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 我が家の夏味覚の一番と云えば茗荷です。愚僧の季節感では梅雨が明けて、盛夏になる直前まで刻んで素麺、冷や奴そして天麩羅等で楽しみます。中でもメインイベントが「押し寿司」です。そもそも、庭にある茗荷の苗をいただいたのは偐出家する前の職場におられた宇陀の郎女(とでも申しておきましょう)さん。大宇陀の山奥でお住まいでした彼女は類猿人のような暮らしをなさっており、山で引いてきた庭の隅にでも植えたら毎年楽しめる・・・と頂いたのが茗荷との縁の始まり。20数年前の出来事。

 その後ブログで紹介していると、九州のさる郎女より斯様に喰うに困るほど出来るなら押し寿司にしてみなさいと作り方を伝授された。お教え戴いた様に作りますと、非常に美味で以来作り続けております。これが、15年ほど前でしょうか。この方とはお会いしたことはありません。今年は皆さんも同じだと思いますが、季節感が狂いました。しかし、早目ではありますが既に何度か紹介したように茗荷を収穫し、ご近所の向こう三軒両隣や愚息の家でも賞味した様です。

 そこで、フィナーレと云うべき押し寿司を造りました。今年は新作と申したのは「櫻花」を塩漬けして保存していたものを加えたことです。この櫻花に関しましては、若草読書会の同人で尊敬する小万知媛のアドバイス、「櫻茶のように花を保存して茗荷寿司に加えると彩りや香りが増すのでは」と。春の読書会の花見の会でのお話しでしたが、帰宅後近くの公園の八重櫻雀が落した花房を塩蔵冷凍保存しておりました。

 時を待った八重櫻花と茗荷が出会い、出来上がったのが写真で紹介する押し寿司です。酢飯にも塩分は含まれていますが、櫻花に含まれた塩分は櫻の香りを含んでいるように思えます。その花の香を隠し味にした今年の茗荷押し寿司は、これまでと一味も二味も違う出来栄えです。それ故、少し諄いようでしたが茗荷の来歴と、押し寿司に至った物語を紹介させて頂きました。そして、今回我が家の「茗荷押し寿司」が完成の域に至ることが出来ました小万知媛他歴代の茗荷の郎女に感謝を込めて。

 写真:茗荷押し寿司、塩蔵冷凍櫻花、収穫した茗荷、製作工程二題

 茗荷櫻
 宇陀山に 根を張る茗荷 引き抜かれ 河内で育ち 櫻と出会う <混季語>