河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

南朝天皇の行宮を訪ねてその4 「余談」

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 五條と言えば「天誅組」「五新線」そして「柿の葉すし」くらいしか頭に浮かんでこなかった。「南北朝」に関しては、ぼんやりと記憶にはあったのですが、今回読書会の続きで現地を訪れて益々ぼんやりしたもののうっすらと晴れてきたものもあります。「南北朝」は戦後の歴史の授業では触れたくなかった部分だと、読書会で何方かコメントしていましたが、マッカーサーが来て先生が慌てて墨で塗りつぶさせた歴史であったのでしょう。

 維新後の国の方向付けとして策定された歴史観の「万世一系」「橿原神宮造営」と同様に南北朝は、南朝が正統として位置づけられそれと共に楠木親子の忠義がもてはやされました。しかし、その歴史観が敗戦により崩れ去りました。戦後に私たちが学んだ日本史における楠木親子の扱いと、彼方此方に点在する楠木正成像等の歴史遺物との落差が、私たちにとっては壁に見えるのかも知れません。今回の読書会の選書は墨で塗られた歴史書を浮かび上がらせ、再学習する良い機会を得たと感謝しています。

 ヘタな落語のマクラになってしまいました。五條を再訪して認識を新たにしたもう一つが「柿」です。柿食えば・・・と俳句の名句となった柿は何処の柿、ここで食った柿・・・等大和と柿に関しては口が「酸っぱく」じゃなくて「渋く」なる程語られています。子規が法隆寺で喰おうが、奈良市内の旅館で喰おうがそんなことはどうでも良いのでは、喰ったのが大和の柿であれば。と、大和人以外は思うのでありますが。

 柿の生産量は今やダントツは和歌山県です。奈良は二位に甘んじておりますが、三位以下を大きく引き離しているのはさすがです。近年アメリカにも出荷とか、とかく話題になっている柿ですが大和御所の「御所柿」は群を抜く超高級ブランド。愚僧もいまだ試食にありつけていません。これを奈良市内で喰って、東大寺の鐘の音から「柿食えば・・・」と相成ったという説もあります。また、五條では柿からワインを造り「柿ワイン」として売り出そうとしていると聞きます。全山柿色の柿の山をみていますと、生食にワインにそして***にと夢も膨らんでこようというものです。

 奈良カントリークラブ五條コースのロングホール。パーシモンヘッドのドライバーでgoodショット。クラブハウスでの祝勝会は柿の葉すしのオードブル。そして乾杯は柿ワイン。とでもなれば、地元「五條」としては少々「強情」でも「互譲」の心でお隣の和歌山と共に柿の生産と市場の拡大でしょうか。ヘタな枕と共にお粗末な下げでした。

 写真:その柿(芋と豆は御所産)、保存処理(ヘタ部)

 柿
 どの柿を 何処で喰おうが 柿はかき <偐山頭火

 柿の保存:生食用はヘタの部分に綿かティッシュを湿らせてあてる。下向きにしてラップ等で包み冷蔵庫保存で3-4週間鮮度を保てるそうです。我が家でもそうせざる得ないほどの量を買ってきましたので冷蔵庫でお眠りして貰っています。