河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

転用・流用石三態

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 大和郡山城の石垣に使われたさかさ地蔵様は有名です。写真でもお分かりのように、石のお地蔵様が石垣に使われています。大急ぎで城を築城したとということが、おのずと理解出来る象徴的なものですね。この他にも・・と新聞で検索していると、大和郡山城だけでも転用は550例もあるという。いわばこの時代石も貴重な資源・資材だったのでしょうね。この様に形を変えて使われる石のことを転用石と云うらしい。

 これらを考える切っ掛けになったのが、2枚目の写真です。これは法隆寺の北、普段は殆ど観光客が訪れることが無いような場所です。お百度石が崩れかかった塀の支えになっています。真っ直ぐ立っていたらお百度石ですが、斜めに使うとこれも立派な転用石ですね。関心のある方はご連絡いただけたら場所の詳細をお教えします。法隆寺としても、積極的に看板等を設置して案内したくはない事例でしょうから。

 今一つは、正確には転用では無いのですが本来の目的に使われなくなり、その後他に利用された事例です。これは、大阪市福島区玉川の野田恵比寿神社の石碑です。この神社は松下電器創業者の幸之助が深く信心した神社だそうで、何かと関わっておられる。その一角に日露戦争へ出征し戦死した当地縁者の戦捷(せんしょう)記念碑があります。これが石は、豊臣秀吉大坂城を築城した時に使わなくなり安治川に放置したのか、それを掘り出してきて利用したと記されています。

 以上で転用・流用石三態でした。逆さから始まり斜めに、そして最後は収まりの良い形となりました。ただし、大坂城に関しては上記以外にも多く有ると聞いております。他にご存じの例がありましたらご教示いただけたら幸いです。

 写真:大和郡山城さかさ地蔵、法隆寺支え百度石、日露戦争戦捷記念碑

 転用・流用
 我が旅も 流転と云わば 聞え良し 七転びして 八起き出来るか <浮沈>