河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

偐膝栗毛 摂津尼崎城から垂水神社へ銀輪行 その2

 立花駅近くで唐揚げ定食を戴きながら、午後の行程のお復習いです。
偶然だったのですがJR福知山線列車事故慰霊モニュメントに参拝後、江戸時代の売れっ子作家の近松門左衛門のお墓をお参り。猪名川公園で万葉歌碑を見学、猪名川を渡り飛行場をかすめ南下して豊里大橋で淀川を渡河して河内へ…。かなりの距離を栗毛では無く膝銀輪行しなくてはならない。
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 いざ出立、と云う所で紫煙に先に立った家持氏の水筒がポツンとテーブルに置かれたまま。紫煙に急ぐあまり忘れられたのであろうが、先で犯す私の失敗に比べたら可愛いものです。
 線路沿いに東へ、福知山線との交点で北に上がるとなんだか見慣れたような風景が見えます。そう、福知山線の列車事故で多くの犠牲者が出た現場で、映像に映し出されたのを脳が覚えているのでしょうか。
列車が突っ込んだマンションの現場に近い部分を残して、他は除却して覆いを被せたモニュメントとなっている。周辺はJRに買い上げられて柵を巡らせて管理されている。事故を風化させないためにも、この程度のコスト負担は利用者としてもやむを得ないだろう。写真(上)は外観、域内は写真撮影禁止です。
ここから、北東に進路を取るとこんもりとした林が見えて来ます。有馬街道に接した、廣斎寺のある近松公園が見えて来ます。
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 以前来た時の記憶では、公園内から直接お墓に行けた気がするが、今はブロック塀で仕切られていて公園を出た廣斎寺山門から入ります。
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 その近松のお墓は本堂右脇に関係者の墓石と共にあります。生きていたらノーベル文学賞受賞か、立派な**記念館でも建設しただろうが、著作権切れの今となってこの様なものでしょう。
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 さらに北東へ走った、猪名川記念公園にはけん家持氏の恩師犬養先生揮毫の万葉歌碑があるという…。
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 しなが鳥猪名野を来れば有馬山 
夕霧立ちぬ宿りはなくて   作者不詳 万葉集巻7-1140
 があるのですが、斯様な場合見付けるのに難渋するのが常、先の四国遍路でも夏目漱石の句碑を狭い神社の中で探しまくったが挙げ句、工事中で伏せてあったことを思い出す。
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 案ずるよりは探すが早し、意外と簡単に見つかりましたが急ブレーキをかけたため数メートルはスリップ、高齢者ドライーバーが林に激突…と云う見出しには至りませんでした。
 猪名川公園の西脇には園田競馬場があります。博打が好きな偐山頭火ですが、園田競馬は初見、この日は開催日で無かったため場外から見学です。
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 猪名川を渡り伊丹飛行場が間近に見えて来ます。 怪鳥も伊丹という宿目差して舞い降りてきました。
 しなが鳥には今宵の宿が無いらしいが、我々の宿である生駒峰の麓を目差して猪名川を下りましょう。
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 土地勘を取り戻すため一度JR吹田駅へ向かう途中で、コーヒーブレイク。この小休止が愚僧にとってはとんでもない失態の始まり。一息ついて近くだという垂水神社へと銀輪を動かそうにも鍵が無い。店内を探す、ほぼ身ぐるみ剥がされて探すも無い。仕方なく鍵を潰そうにも道具が無い。しかし、神は試練だけでは無く救いも与え給う。目の前が自転車屋さんです。店主に頼み込んでクリッパーでワイヤーを切断、しかし切った瞬間に目の前にぶら下がっている鍵に気付く。要は帽子に入れた鍵が思い出せなく、あまり近すぎてぶら下がる鍵に焦点が合わず見えなかった。同行二人それぞれがチョンボウですが、愚僧の場合は最悪でしょうか。
 切れた縁(円)がまた繋がらないかな。
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 気を取り直して予定には無かった垂水神社へ。休憩した喫茶店主にも勧められた垂水神社は豊城入彦命(第10代崇神天皇皇子)が祭神とか、けん家持氏も十年以上も前に訪れた場所で懐かしいという。
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 石走る垂水の上の早蕨の
萌え出づる春になりにけるかも      志貴皇子 万葉集巻8-1418
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 志貴皇子天智天皇の第七皇子)の歌、万葉集でもファンが多いこの歌の舞台として垂水神社は有名だというが、愚僧は初見でした。先の喫茶店主に云わせると「(名神)高速が出来るまでは、滝には豊富な水量だったが」と懐かしんでおられた。
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 これで本日の行程ほぼ終了です。河内へ入ると生駒山や六甲山が遠望出来て、感ナビも作動するのですが摂津では河川が入り組み、ビルが建ち並び機能しません。加えて鉄路も多いですが、列車が通過するまで何線かも解りません。
けん家持氏のプランだと豊里大橋で河内へ入るつもりだったが、結局は名柄橋で渡り、大川端を走り天満橋から大阪城へ戻るという起終点が繋がる一筆書きとなってしまいました。
傍目で見ると無駄走り、我々で云うところの機能訓練強化の銀輪行、総行程62キロ(けん家持氏は80キロ超)の筋肉・関節そして脳機能リハビリが無事終了しました。ご精読(?)感謝申し上げます。
 
 垂水の脇にて
 摂津の野 銀車走り 惚けにいる <惚山頭火