我が大学キャンパス周辺では、自然の恵みを奪い合う空中戦が連日繰り広げられています。
とある民家の隙間に
とある民家と民家の間に、伸びすぎた渋柿が実りをぶら下げています。昨秋から実っているのですが熟成度が頂点に達した今、甘い(?)実を巡り雀と烏らによる果実争奪戦です。なぜか、早朝・昼間はおとなしいのですが、夕刻になるとカラスの二集団と雀の群れが集まってきます。
ボチボチ集合か
地上の秩序が乱れて、近隣のおばさん達による猫の餌撒きがあった頃は、これら空中戦族に猫・イタチの地上戦部隊が参戦して「野生の王国」状態でした。猫やカラスの巣になっていた空き家が、整理整頓されて猫族が追いやられ、今や少数族になりました。カラスも営巣を移したようで、柿の実る頃だけやって来て、一端整列・点呼の後に食糧確保にうつります。
そこのけ雀
概ね、烏が上の枝に雀は枝の密生したその下を狙うという棲み分けも出来ているようです。
母烏でしょうか実を巣へ持ち帰ろうとするのですが、完熟故途中で実が道路に落ちます。これらをお掃除させて貰うことが、早朝の掃除作業に加わるこの頃です。時に写真の様に庭のベンチにも皮が落ちています。
ベンチの柿の皮
烏という 大をそ鳥の まさでにも 来まさぬ君を ころくとそ鳴く
万葉集 巻14ー3521 東歌
(カラスという 大まぬけ鳥が 本当に おいでになるはずのない君を「ころく」あの児が来るって 鳴いているのよ)
巣に持ち帰られなかった実
烏でさえ 巣で待つ児らに 熟し柿 実を喰わせんと 落として悲し
河内落実拾歌