河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

斑鳩のコスモス嬌艶

 斑鳩路の秋はコスモスとなったのはいつ頃からか。法起寺の周辺休耕田にコスモスの種を蒔き寺の塔を能舞台の鏡板の松様に仕立てた事もありました。混雑種を巻くことで、比較的長期間花園の様に設えることも出来る観光素材でもあります。秋深まる一日、法隆寺他の御寺を回るコスモス散策の旅としました。
 二上山藤ノ木古墳脇のコスモス 見ようでは三上さんですね

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 奈良市内で所用を済ませ、マクドナルドで昼食を買い大和郡山市内の県立大和民族公園で食する。御同輩が多い、カップルで公園を散策すればコロナ自粛対策としては絶好でしょう。早食いは治まりが悪いが気が急きます。法輪寺の町営駐車場でトレンクルを下ろして輪行開始。
 法輪寺前のコスモス園からは寺が隠れますが  橘も見られます

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 サイクリング道を東へ走りますと左手に刈り取り収穫を終えた稲が綺麗に並べられています。籾殻を燃やした痕跡もあり、田圃の収穫期は過ぎたようですね。
 何気なく作られた人工美でしょうか

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 法起寺のコスモスは、定番通り大和郡山市から小さな峠を越えた辺りからの眺め。金剛・葛城連山を背景に法輪寺の塔そしてコスモスが生えます。トレンクルならではの技でしょうか。
 法起寺はこの場所が一番かな

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 さて、最初に記したコスモスの混雑種ですが、アップで見ていただくと開花した花、蕾やその途中という状態でお客さんを迎えています。開花時期のズレる品種ですので咲いては枯れ、そして咲いては枯れと群生で繰り返されているため長期間咲き乱れているように見えます。
 群生のアップ

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 続いて訪れたのは中宮寺跡です。現在の中宮寺は再建移転後の建物です。近年中宮寺跡が発掘調査されて基壇跡などを整備しました。その周辺にもコスモスは乱れ咲いています。法隆寺法輪寺法起寺中宮寺でやや四角形を形作っていたようですね。その間に現在の斑鳩の町並みが形成されています。
 中宮寺跡からのコスモス

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 今回はコスモスと法隆寺界隈という外題で巡回しております。法隆寺山内にコスモスが咲き乱れる所は多分無いでしょうと云う推理の元法隆寺をスルーします。しかし、折角ですから西里の外れからコスモスと五重塔という何だか言いがかりのような写真を一枚。左上に少し見えるのが法隆寺の塔です。
 コスモス、柿も法隆寺も影が薄いですがご寛容を

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 西里の外れにあるのが藤ノ木古墳です。被葬者は不明ですが盗掘されていないので、往時の立派な馬具が発見されて話題になりました。今回はその点をテーマにしていませんので省略しますが、近隣に町立の資料館があり詳しい展示がされています。
 何ともなまめかしい乳房のような円墳と言うとお叱りを受けますが、その表現がピッタリの古墳です。
 なまめかしい古墳

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 この界隈で西里地区が終わりです。対則の東里地区と共に法隆寺の千古の歴史を支えてきた職人集団も多数お住まいとか。朝鮮半島からはるばる海を渡り大陸の建築・仏像、仏具そして和の精神を我が国にもたらした仏教を伝えたのでしょう。

 蒼天のコスモス

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 もう一枚おまけというかお手本の写真が届きました。蒼天の曇とコスモスに、来年も又その次も訪れることが出来ましようにとの願いも込めて。
 秋本番の主役すすきも似合いますね  これは愚僧のおつむかな

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 すすきで現実に戻り、この辺でコスモスの嬌艶の旅も終着としましょう。来た道を帰る道すがら日用雑貨店で竹を編んだ買い物籠を発見しました。何時からか、買い物する旅に袋代を徴収されていますが、これがあればと、手頃な一品を求めました。車にでも積んでおけばコンビニに行くたびに「袋はどうされますか」問答から解放されます。
 小○伊商店さん

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 財布を取り出したらお金が足りません。出立時に札を入れた記憶があるのですが、足らないので次回にします。いや、小銭でも結構あるんですよと叔母さん小銭入れを取ると広げて勘定する。少しくらいなら負けるのかと思えば全然足りません。そうこうしていたら、バッグの隙間に札があるのを発見してこの段は一件落着しましたが、小銭を勘定しだした叔母さんに、この方河内の出身かなとも思いました。
 やっと手に入れた買い物籠

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 さて終りが買い物籠問答では落ちになりません。そこで、駐車場に戻り車に乗り換えて法隆寺の裏に回りますと、この地に無くてはならない柿を発見しました。秋の収穫期なので、この柿の木辺りで農道は閉鎖されていて予定していた、矢田丘陵と生駒の水呑地蔵越えでの帰路を諦めて国道25号で河内への帰路としました。
 柿喰って帰ろうかな

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 喰うなれば 柿売る店と 見回すも 

       句碑のようには ならぬ我が身か  <偐山頭火