河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

宮大工棟梁「西岡常一の世界」

 昨日の記事で本日雨予想との前提で事を運んだと記しましたが、予想に反して今のところ快晴です。天気予報を視聴ていましたが、女性予報士があまりにも美しいので顔に見とれていたのでしょうか。で、本日も先ほどまでMTB散歩していましたが、本記事の内容は斑鳩法隆寺iセンターと施設二階の宮大工棟梁「西岡常一の世界」云う常設展示です。
 ポケモンマンホールが玄関でお出迎え

f:id:gourmet_j:20210301172446j:plain

  法隆寺をはじめとする斑鳩の里を案内すると共に、各種の情報を提供す場所というのがセンターのコンセプトとか。早く言えば「駐車場」「レンタサイクル」「軽食」「マンホールカード配布」等々を提供する施設で、愚僧は希にトイレを利用させて貰う程度でした。先日の巨大な聖徳太子像等をなぞるMTB行の果てに、同センタートイレを借りて玄関に戻るとソフトクリームの宣伝。これについのって舐めていると、エレベーターの前に西岡常一さんの展示という看板です。一筋の糸に引かれたのでしょうか。大工さんですから墨壺で引いた直線でしょうか。
 西岡常一の世界

f:id:gourmet_j:20210301172536j:plain

 彼の作品などは幾つも何度も拝見しているのですが、一塊での西岡さんという展示に引かれて二階へ。そこで、いきなり「塔」の製作現場の再現です。数多ある社寺仏閣の中でも「塔」と云う建物が最も大工の腕というか智恵の見せ所であるでしょう。千年の間、地震・台風などの天災に幾度も揺さぶられながらも凛として建っている塔には何か不思議な力が宿っている様に思えます。今流行の「パワースポット」でしょうね。
 心柱を造る

f:id:gourmet_j:20210301172623j:plain

 薬師寺の西塔、法起寺の塔も西岡氏の作です。法起寺の再建の時には、建築学者が設計した塔に鉄の骨材が多く使用されていました。「学問を信じないのか」と問う学者に西岡は、「学問より私は伝統や経験を守りたい。飛鳥・白鳳時代でもみな宮大工が仏閣を建てた」と持論を譲らなかったそうです。
 槍鉋

f:id:gourmet_j:20210301172653j:plain

 展示は、模型による心柱製作から西岡のプロフィール、加工方法等のパネル展示が並べられています。最後に紺の半纏が展示されていました。幾つかの書物で読んだことがある、西岡の作業着です。これを目にしたときは、「やっと辿り着けた」とでも云う気持ちになりました。
 半纏です

f:id:gourmet_j:20210301172719j:plain

 西岡氏亡き後は唯一の内弟子小川三夫さんが伝統をまもって、仕事場を日本中に広げて活躍されています。西岡氏が守ってきた聖徳太子以来の伝統ある建築技法が、斑鳩から発信されて全国の社寺仏閣の再建、新築に活かされています。

 斑鳩の空(く) 半纏が舞い 鳳凰に <偐山頭火