河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

お湯の無い風呂

 現代社会ではお湯の無い風呂なんて考えられません。サウナも風呂の付帯施設ですので湯が無いことはないと云えます。しかし、古代から奈良・平安時代を通じて風呂にお湯が付きものとなったのは江戸時代が始まりと言われています。その日本に入浴・沐浴がもたらされたのは仏教と同時だと言われます。それも古代の「風呂」は、現在のサウナに近く、湯気で身体を蒸す蒸し風呂のことでした。
 法華寺のカラフロ

 聖武天皇光明皇后が庶民にフロを施したという法華寺のカラフロは、仏教思想を具体化させたモノとして現在にも伝わっています。現在はコロナ禍でどうなっているか分かりませんが、毎年6月には一般体験も出来たと聞きます。
 その法華寺へ昨日行ってきました。月例のようになっているあやめ池での軽作業の終了後、同じく月例のように平城宮跡で休息し積載してあったトレンクルで東院庭園あたりを一周した時に立ち寄りました。何度も拝見している入り口脇の石碑に、カラフロの記載があることに初めて気づきました。
 法華寺玄関

 正式名は法華滅罪之寺というのでしょうか、ホームページを拝見すると「総国分尼寺法華寺門跡」が正解のようでもあります。何時ものように静かで、観光客も私を除くと一人という環境は物静かで、その一人の観光客にとっては良かったと思います。
 東大寺の大湯屋

 同様の施設は東大寺にもあり、外観でしたら無料で常時見物できます。東大寺は何度も戦の被害に遭っていますが、大湯屋も同様で掲示板にはその歴史と誰が再興したかといういきさつが掲げられています。万葉集にも温泉の記載があるので、もしかして別府にでも同様の施設があれば、温泉を引き込んだかもしれませんね。愚僧はしばらく本物の温泉につかっていないので、ボチボチと思いますが暑い中を出かけるのも帰宅後を考えると足が一歩出ません。

 灼熱の 帰りが苦しい 温泉行  <偐山頭火