河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

伯耆「三朝温泉から因幡へ・・・豪雨国庁跡を断念」

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 関金温泉で三湯目で三番目で三朝温泉木屋旅館へ着いた頃には既に、又も湯あたり状態。昨日と同じですね。で、三徳川の流れを眺めつつ御酒を相手にKindle。三・三・三プラス三と駄洒落で始まる三朝は、更に雨脚が強くなってきていました。

 外湯も諦めて内湯のはしごです。普段はあまり入らない、大浴場にも入りますが、やはり一番は館中央地下にある楽泉の湯。湯船の底から熱湯に近い湯がわき上がってきますので、入る時はホースで調節しないと、人間ゆで卵になります。脇には、湯壺があって柄杓ですくって飲泉もできます。床に転がれば岩盤浴にもなります。

 さて、夕食は一般的なコースでしたがそれぞれ板前さんの創意工夫が見てとれます。今回気に掛かったのが鮎の焼き物に海苔などを挟み込んだ一品です。その供し方に職人さんの修行の跡とこだわりを見ました。「海腹川背」と云いまして、海の魚は腹側に旨味が、川の魚は背に旨味がと云い、お出しする時も旨い側を客に向けるという習いです。

 さて、美味しい料理と腕の良いマッサージさんに夢の世界へ引き込んでいただいた翌朝は更に豪雨。鳥取市内の河川は氾濫している所もあるという。本日の予定では、市内にある因幡国庁跡を見学する予定で有りましたが、この雨では断念せざるえません。因幡守であった大伴家持が「新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」と新年の挨拶を国庁で詠った短歌で、自らが編纂した万葉集の幕としております。

 私のお気に入りのこの短歌が作られた場所に立ち、偐家持になるつもりでありましたが、叶わぬ事となりました。また、時期を改めて鳥取を目指すこととして、今回の旅の〆といたします。

 なお、蛇足ながら帰る日の朝、楽泉の湯は、三徳川の増水で床にまでお湯が溢れて入浴禁止(?)でした。如何に自然と接している温泉かが理解できる現象でありました。

 写真:木屋旅館(楽泉の湯と飲泉場)、海腹川背を実践した鮎の焼き物

 三朝にて
 雨音か 下駄の音とが 石畳     <偐山頭火