三朝の朝は、三徳川の流れで爽やかにやってくる。朝風呂と行きたい所だが、本日の立ち寄り湯の予定があるので我慢。木屋旅館は夕朝共に部屋食なのはありがたい。構造的な問題と云えばそれまでだが、狭い部屋でも団体で喰わされることがあるので、良い心配り。但し、お運びさんは大変でしょう。
宿のご近所の立ち寄り湯を持つ「薬師堂」があり、これらが並ぶ通りを「温泉街」に仕立てようとなさっている。さて、我々は隣町の「倉吉市」へ向かう。江戸時代にお米の集散地として栄えた倉吉には、懐深い町の情緒がある。白壁の土蔵、舟運に使ったような濠、そして定番の造酒屋が建ち並ぶ。大阪の豪商「淀屋」も支店を開いていたほどです。
さて、次なる目標は「白兎海岸」、いわゆる因幡の白ウサギがワニを騙して海を渡るという、古事記のお話の舞台だと云われています。もっとも、山陰ではサメのことをワニと云って食していますから、まんざら作り話でも無さそうですね。次は、鳥取砂丘です。此処では土産のラッキョウを購入。連れは砂丘に暫く消えてしまいました。イスラム国入りを心配しましたが、年齢制限で返されたようです。
昼飯時は空いているという定説を組み立てた「七釜温泉」が次なる目標です。時刻は丁度12時。定説は確立されたようで、先客は一人、立ち去られると我々のみとなった。金気の40度を超えそうな湯は真によろしい。空きっ腹を更に空かせてくれるお湯の圧力だ。
七釜から湯村温泉を過ぎて、春木トンネルを通らず、春木峠を17キロほど登ると峠のてっぺん。此処に「てっぺん蕎麦」があります。地元の奥さん達が、製粉から蕎麦打ち、そして山菜などを採取して揚げるテンプラが付く大盛りはダイナミック。卑しく喰って帰路につくと、運転中の胃が圧迫されて、蕎麦の香りが漂う。おじさんの二人旅故許される贅沢だ。